なぜ、わたしを『主よ、主よ。』と呼びながら、わたしの言うことを行なわないのですか。わたしのもとに来て、わたしのことばを聞き、それを行なう人たちがどんな人に似ているか、あなたがたに示しましょう。その人は、地面を深く掘り下げ、岩の上に土台を据えて、それから家を建てた人に似ています。・・・聞いても実行しない人は、土台なしで地面に家を建てた人に似ています。・・・。」(ルカの福音書6章46節〜49節)
アメリカ合衆国の第44代大統領にバラク・オバマ氏が就任しました。おそらく人々の予想より早く、黒人大統領が誕生しましたが、彼の就任の原動力は、黒人だからということではなく、彼の演説を通して人々に語られた言葉の力にあると思います。今までの流れにチェンジ(変化や変革)をもたらすと語り続けた、この若い政治家の言葉がアメリカ人の心を捉えたのです。
私は言葉を通して仕事をする者として、これらのことを感慨深く受け止めたのです。日本人の言う言霊(ことだま)の力ですが、クリスチャンである私たちは当然、神の言葉ということを考えてみたいのです。そして、あなたの人生の中に神の言葉が生きているかどうか、いま私たちは共に問い直すものでありたいと思います。
人生で神の言葉を実行し、神の言葉に生きるクリスチャンになるために、2つのことを心に刻み付けましょう。
1.神の言葉を人生の土台とする生き方
家を建てる人のたとえを通して、神の言葉をちゃんと実行するかどうかが、人生に土台があるかないかに結びつく大きな決め手なのだとイエスは語りました。
今、世の中は大変移りやすく、物事の土台や、変わらないはずのものまでが揺れ動く時代となりました。きちんとした土台がなければ、迷うだけの人生で終わります。このような時代にこそ、永遠に立つ神の言葉を私たちは自分のものとしたいのです。何が本当に私たちの人生の揺るがない土台なのか。それは神の御言葉です。
「草は枯れ、花はしぼむ。だが、私たちの神のことばは永遠に立つ。」(イザヤ40:8)とありますが、クリスチャンである私たちは、神のお言葉にこだわって生きるのが当然です。周りの状況が一変するようなときが来ても、私たちは大丈夫です。神の言葉を人生の土台とする生き方が、クリスチャンの生き方であると、はっきりと受け止めましょう。
2.神の言葉を日々実行する
神の言葉を土台とするという生き方は、単に心の中で信じるとか勉強して理解するということでは実現しません。神の言葉をあなたの人生の中で実際に行動してみることが大切なのです。
イエスは、マタイの福音書21章28節以降のぶどう園のたとえ話を通し、パリサイ人や律法学者は御言葉の知識はあるけれど行動はしないが、知識のない取税人や遊女は、イエスの言葉を聞いてそれを行動に移したので救いに入ると指摘したのです。
信仰生活は決して屁理屈や知識の多さではなく、本当に素直に行動してみると、神の恵みを頂けるのです。
苦手な人を愛する、不平不満があっても絶えず喜ぶ、自ら恵みを求め探し叩いていく、捧げ物、祈り、聖書通読においても、神の言葉を実行すればいいということが分かっているだけではなく、日々行動することが大切です。そうすれば神の御言葉が人生の土台となります。
今の自分にふさわしい御言葉を選び、いつ実行するか自分の心に決めましょう。実行する期限を決めておかないと、それはほとんど実行できません。同時に私たちはクリスチャンですから、こっそりではなくて、いつも周りの人々にも告白しながら行動していきたいと思います。人の目に隠れてこっそりやろうと思うから実現しないのです。
そして、その御言葉があなたの人格の一部になるまで行動し続けることです。本当に習慣化するところまで、しっかり神の言葉にこだわりたいと思います。あなたの行動の変化について人々に問われたら、神の御言葉を実行することに決めたのだと証ししましょう。
詩篇103篇には、御言葉を行なうのは力ある勇士だと書かれています。聖書の御言葉に立った生き方にこそ神の力は働きます。御言葉を行なうなら、人々が不思議がるほどあなたの人生は揺るがず、平安の溢れる人生となります。主の約束は変わりません。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。