この夏欧州では、各都市にある中華料理店を巡り、欧州に移り住んできた中国人移民に「福音」を伝える運動が行われている。中国人伝道を行う「CCHC(Chinese Christian Herald Crusade Restaurant Gospel Ministry)」の働きだ。一人の中国人クリスチャンによって始められたこの運動は、今では欧州全体に広がるまでになっている。
6月、CCHCはドイツのハンブルグを訪れ、地元の中国人教会と協力しながら、「香りよい人生(A Flavourful Life)」をキャッチフレーズとして中華料理店約500店舗を訪問し、福音を伝えた。
ハンブルグの次はベルギーの首都ブリュッセルで、同じく地元の中国人教会と協力しながら中華料理店250店舗を訪問することを目標としている。ブリュッセルでは約30人の宣教師チームによる、「レストラン・ゴスペル・ミニストリー」のためのセミナーや訓練も行われる予定だという。
CCHCの働きは92年に英国イングランドで、中華料理店数店舗のオーナーであった一人の中国人クリスチャン、デビッド・チャンさんによって始められた。神からの「召命」を感じたチャンさんは、欧州の外食産業で働く他の中国人たちのために福音を伝えたいと、所有していたすべての中華料理店を売り払ってその働きを始めた。
以来この運動は、スコットランド、アイルランド、ルクセンブルグ、ノルウェー、スウェーデンと欧州各国の広がり、04年には各国の働きをつなげるための全欧州規模での協力関係が結ばれるまでになっている。
現在、欧州に移り住んでくる中国人移民の多くは外食産業で働いて生計を立てている。最近では他の専門分野で活躍する中国人移民も増えつつあるが、その大半は依然として中華料理店の経営が家計を支える「柱」として見なされており、今後もCCHCの運動は中国人伝道を担う一つの働きとなりそうだ。