日本国際飢餓対策機構(JIFH)は、国連が定める「世界食料デー」(10月16日)に合わせ、11月初めまで約1カ月にわたり、「世界食料デー大会」を仙台から沖縄までの24会場で開催する。今年は、東京、京都、和歌山の3会場が新設され、「生まれてきたのは生きるため~あなたの愛の手がその子のいのちを救います~」をテーマに行われる。
大会が開催されるのは、宮城、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、京都、奈良、和歌山、兵庫、広島、高知、福岡、鹿児島、沖縄の15都府県24カ所。大会では、飢餓問題に関する講演会や海外駐在員による現地報告、コンサート、落語、ゲーム、クイズ、フェアトレードグッズの販売などが行われる。
ハンズ・オブ・ラブ・フィリピン代表の酒井保氏と元フィリピン駐在の酒井慶子氏をはじめ、同機構の田村治朗氏(啓発総主事)、近藤高史氏(特命大使)、伊藤綾氏(東北事務所)、吉田知基氏(広報担当)、鶴浦弘敏氏(広報主任)らが各会場で現地報告・講演を行う。
大会は10月2日の鹿児島(サンエールかごしま)を皮切りに、京都、和歌山、北大阪、沖縄などで行われ、今後は、神奈川・湘南(17日、茅ヶ崎市民文化会館)、千葉・柏沼南(24日、みふみバブテスト教会)などで開催されることになっている。11月3日の奈良(キリスト兄弟団大和教会)が最終日。
途上国に生きる子どもたちを取り巻く環境は危機的な状況で、食べるものが十分なく飢餓が原因で命を落とす子どもたちは、5秒に1人、1分間には約12人、1日では1万9000人、1年ではおよそ700万人にも上る。さらに、紛争や武力衝突に巻き込まれたり、またテロ組織などによる拉致や誘拐、人身売買の対象とされ、子ども兵士として利用されたりするなど、生きるのに極度の困難を覚えていると同機構は伝えている。
今回の募金は、途上国で懸命に生きる子どもに焦点を合わせた教育支援、給食支援に充てられるほか、コンゴ民主共和国で紛争に巻き込まれて逃れてきた子どもたちの新しい地での生活再建、その両親に対する職業支援を通して、その子どもと家族、そしてそのコミュニティーが自立できるよう励ましていくために用いられる。
今回の大会にあたり同機構は、世界の食料問題の解決に向けて、何か行動している人は活動を共有する場として、これから何か始めたいと思っている人はそのヒントを見つける場として気軽に参加してほしいと呼び掛けている。
国内のNGOも、10月を世界食料デー月間としてさまざまなイベントを企画している。呼び掛け団体は同機構のほか、アフリカ日本協議会、WE21ジャパン、オックスファム・ジャパン、国際農林業恊働協会(JAICAF)、セカンドハーベスト・ジャパン、ハンガー・フリー・ワールド、緑のサヘル、国連食糧農業機関(FAO)など。
世界食料デーは、1981年に世界共通の日として制定された。世界の一人一人が協力し合い、最も重要な基本的人権である「すべての人に食料を」を現実のものにし、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧困を解決していくことを目的としている。
同機構による世界食料デー大会の会場一覧・詳細は、こちら(PDF)。各NGOによる活動の詳細は「世界食料デー」月間ホームページ。