そこでペテロは彼らに答えた。「悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただくために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けるでしょう。
なぜなら、この約束は、あなたがたと、その子どもたち、ならびにすべての遠くにいる人々、すなわち、私たちの神である主がお召しになる人々に与えられているからです。」(使徒の働き2章37〜42節参照)
最近も色々なことがありました。松岡農林水産大臣の自殺などもあり驚かされました。大臣に対する評価は様々で、よくがんばったとか、結構馬力もあったなどとも言われますが。ピシッと姿勢を正さなければならない時に、人には言えないような何かがあっただろうとは思われます。結局理由はわからず、灰色のまま命を断つという後味の悪い人生の締めくくりとなったのです。
これは他人事ではありません。21世紀の複雑な社会に生きる私たち全てに関わる、この世のあいまいさがあるからです。その中だけで私たちの人生を見ようとすると必ず行き詰ってしまいます。私たち人間は、この世の命だけで終わるのではなくて、神様から天的な命を与えられている者であることを忘れてはなりません。この世のもたらす物事の見方での人生のとらえ方には、必ず限界があります。私たちクリスチャンは、神から命を与えられた者として、神の子、神の家族としての人生のとらえ方があることを知りましょう。この世のもたらす限界で生きるのではなく、永遠の命につながる永遠の喜び、平安、恵み、祝福、感謝のある霊的生き方があることを感謝しましょう。
今日開きました聖書は、聖霊を注がれた弟子たちが、どのような歩み方をし始めたのか。新しい生き方の始まりを示す部分が記されています。聖霊が注がれた神の恵みによる人生には祝福が伴います。先週は、マレーシア伝道に出かけ、ムーイ先生と、次なる伝道の打ち合わせなどもし祈りあってきました。ムーイ先生にも色々な戦いもありますが、平安があり神の力は豊かに働いて、ものすごい祝福をいただいています。
御霊による新しい生き方の始まりを作り出すポイントを考えてみましょう。
1.悔い改め
聖霊の働きが始まったとき、ペテロはその第一声として人々に言いました。「悔い改めなさい」(38節)悔い改めができるとは、なんと感謝なことでしょう。世の中は、自分の考えや意地を押し通して、自分の都合で思いを遂げることばかりを考えます。私たちの心の中に神に対するへりくだった思いがあることは感謝なことです。ヨハネも「悔い改めよ」と言いました。イエス様も、キリストとしての働きを始められたとき、「悔い改めよ」と言っています。
やわらかい心で、へりくだることができるのは何と感謝なことでしょうか。新しい生き方に導かれるために、ペテロはまず、悔い改めを求め、義なる神、父なる神に向かってへりくだり、素直でやわらかい心が私たちの人生に、本当の祝福をもたらす、と語ったのです。
2.キリストとの一体化
続いてペテロは、「キリストの名によってバプテスマを受けなさい。」(38節)と語りました。次に求められるこの洗礼とは、ただ儀式だけのものではなく、古い自分がイエス様の十字架とともに死ぬのです。そしてイエス様とともに死からよみがえるのです。それはキリストと一体化されていることを意味します。クリスチャンになった私たちは、キリストと共に生き、いつも主の臨在を感じるのです。この世の知恵や常識で考えるのではなく、クリスチャンは「イエスならどうされるだろうか」と考えるのです。いつもイエスが共におられることを忘れてはなりません。
3.贈物としての聖霊
キリスト者としての新しい生き方は、私たちの決意や努力やがんばりではなく、聖霊が注がれて、聖霊の臨在の中で動き始めるのです。あなたが何か疲れを感じているとしたら、それは人間の力で生きようとしているからです。イエスを主と告白するクリスチャンであるなら、あなたの心の中にはすでに聖霊が注がれているのです。聖霊は、天から注がれる力であり、もうひとりの助け主、真理の御霊です。人間的なものではなく、聖霊の助けを求めましょう。
4.神の約束
以上のような、すべての約束は、当時のユダヤ人だけではなく、遠くの国の人も、違う時代の人々にも、全て、イエス・キリストを信じ、神に召された人、簡単に言えば、あなたや私のためにも与えられたものです。(39節)神からの約束の保障、恵み、祝福が常に伴う歩みができるのです。この約束が私たちに与えられているのです。日本は豊かで、信仰の自由もあります。その中で、自分勝手な生き方になっていないでしょうか。御霊に導かれる新しい生活のはじまりを自分のものとしようではありませんか。
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万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など、多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。