国連緊急支援コーディネーターのヴァレリー・アモス氏は29日、「この食糧危機がさらに深刻な大災害とならないためにも、今行動に出なければなりません」と声明文を発表している。
国連によると、同地域で生じている干ばつは過去60年間で最悪の干ばつで、今後3~4か月間は干ばつの被害による緊急支援が必要になるという。日々数千人もの人々が同地域からアフリカの他の地域へ食糧を見つけるために避難している状態であるという。
人道支援調整事務所によると、今回のききんはソマリア南部の2地域によって生じており、今後2~3か月間の間にさらなる支援が無い場合他の地域にもききんが拡大していくと見られるという。
国連は東アフリカ緊急支援として24億ドルの支援を加盟各国から集めており、うち12億ドルがこれまでに各国から集められた。
ワールド・ビジョンやチャーチ・ワールド・サービスのような国際非営利団体も同地域の支援を行っている。ワールド・ビジョンでは、食糧配給場所において、親と離れ離れになってしまった子どもたちや、保護者不在で生活している子どもたちを見つけ出し、特に必要な支援を行う体制を取っている。米CPによると、ワールド・ビジョンが穀物が枯れ家畜が死んでしまった後の家族の食糧支援を行っていたところ、ある母と子が既に共々栄養失調で歩行も十分にできない状態になっており、母親は「十分な食料がありません。私達が受けるわずかな食糧ではとても足りません」と話していたという。キリスト教非営利団体であるワールドビジョンから「プランピーナッツ(栄養補助食品)」を与えられたところ、母親は「主に私に健康が与えられ、子どもたちが守られ、私達に十分な食料が与えられるように祈ります」と述べたという。
チャーチ・ワールド・サービスのサミー・マチュア氏は、人道支援団体はただそれぞれの団体が別々に支援を提供し続けるだけではなく、アフリカのききんを再び生じさせないようにするためにも「支援を受ける人々が力づけられる方法で提供し、ただアフリカの地域が支援に依存するだけのサイクルを継続させないようにして行く必要があると思います」と述べている。
世界160カ国に広がる聖公会(アングリカン・コミュニオン)の霊的最高指導者であるカンタベリー大主教ローワン・ウィリアムズ博士は、東アフリカの深刻なききんの状況を受け、各国聖公会に対し「『アフリカの角』の地域の私達の友である人々が倒れることのないように対応していかなければなりません。私達それぞれが嫌々ながら、あるいは強制されてではなく、神様の愛によって喜んで与える者とならなければなりません。そして(与えることによって)神様が私達に有り余るほどのすべての祝福を与えることができるようになります。そして神様の祝福を受け、常にすべてのことに富む者になることで、全ての良い行いを有り余るほど分け与えることができるようになっていくことでしょう」と呼びかけている。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは最新ニュースとして東アフリカのききんを報告している。報告によると「食糧危機などの緊急事態では、多くの子どもたちが親と離れ離れになってしまいます。しかし今回の危機ではその深刻さゆえに、食糧を求めてより長い距離移動しなければならないため、子どもが親と別れてしまう危険性がさらに高まっています。食糧危機は、それ自体が子どもの生存と成長にとって大きな脅威ですが、食糧探しのための長距離移動が、さらなるリスクを子どもたちに与えています」という。ワールド・ビジョンでは「アフリカの角」緊急支援募金への協力を呼びかけている。募金は同サイトからクレジットカード、郵便局・コンビニからの送金を通して簡単に行うことができる。