不安をあおって高額な印鑑を売り付けたとして、大分県警は19日、いずれも世界基督教統一神霊協会(統一協会)の信者で大分市の印鑑販売業・加藤泰輔容疑者(51)と妻・みどり容疑者(53)を特定商取引法違反(威迫・困惑)の疑いで逮捕した。「不安をあおってはいない」などと供述し、ともに容疑を否認しているという。
県警によると、両容疑者は共謀して07年6月から7月、同市の女性(44)らの家を訪問。「先祖の災いで家が絶える。印鑑を作れば守られる」などと言って不安をあおった上で執拗に印鑑の購入を迫り、3本入り印鑑セット計5セット(総額約120万円)の売買契約を結ばせた疑いが持たれている。
県警は同日、統一協会大分教会や同協会関連の印鑑販売会社など計6カ所を家宅捜索し、容疑の裏付けと同協会自体の関与について調べている。
統一協会関連会社のいわゆる「霊感商法」をめぐっては昨年9月、不安をあおって高額な印鑑や水晶を売り付けたとして大阪の印鑑販売会社「共栄」従業員の4人が、同10月には和歌山の印鑑・健康食品販売会社「エム・ワン」の従業員2人がそれぞれ逮捕されている。さらに同11月には東京の印鑑販売会社「新世」社長らが、同じく高額な印鑑を売り付けた特定商取引法違反の罪で東京地裁から懲役2年・執行猶予4年、罰金300万円などの判決を言い渡されている。