日本基督教団統一原理問題連絡会が主催して18日、韓国・ソウルにある韓国教会100周年記念館で開かれた統一協会問題日韓教会フォーラムで、日本全国統一協会被害者家族会と弁護士会は統一協会の最近の動向をこのように告発し、「統一協会の布教方法がさらに巧みになっている」と警告した。
統一原理問題連絡会は日本基督教団宣教委員会(委員長岩崎隆牧師)が1986年に結成した団体で、2004年以後毎年韓国教会と交流を持ちながら統一協会対処に取り組んでいる。この日、韓国側からは韓国基督教統一協会対策協議会などが参加した。
◇路上誘引で積極布教=日本の統一協会の布教活動の現状を伝えた渡辺博弁護士によれば、日本統一協会の信者たちは正体を隠して無差別に自宅を訪問し、ビデオセンターへの誘引、数珠や印鑑購入の強要などを行う。これが、被害者が統一協会に加入する典型的なきっかけとなる。
また路傍で青年意識アンケートの調査、エイズ退治署名、真の家庭再建運動署名、子供淫乱物保護署名などを理由に声を掛けることも布教の主要方法であると渡辺弁護士は伝えた。
統一協会は布教のために手相相談、運勢相談なども利用するという。「顔に転換期相が見える」「手相を見ましょう」などと誘引した後、チケットを与えて「手相に精通した先生が特別にあなたを見てくれる」と長期間にかけて執拗に説得する。この過程を通じて印鑑3個セットと数珠を購入させられ、数十万円の支払いを迫られるという。さらに数万円の会費を払わされ、ビデオセンターの利用契約を被害者が契約していることなどを渡辺弁護士は明らかにした。
また統一協会の会員は友達や知人、家族と親戚を、絵画展示会、宝石展示会、着物展示会などに招待、また高額の健康ケア、漢方料理会などで勧誘して株式会社イルファ(Ilhwa)が製造した濃縮液を一本8万円で購入させる。また「世界平和女性連合」が主催する各種の集まり、ユニバーサルバレー団、リトルエンゼルス公演の参加勧誘も、統一協会への誘引を目的にしている。
◇布教成功すれば巨額財産の献金を勧誘=「統一協会会員たちが布教活動をする最終目的は対象者から全財産を奪うことにある」と渡辺弁護士は強調した。特に献金強要過程では先祖供養を理由に 「供養しなければあなたの家族に禍が臨む」と脅かすことで知られている。
主な脅迫の文句として「あなたの先祖には過去に人を殺した縁がある」「あなたの財産は先祖が多くの人の恨みを買って成した富だから災難の縁がある」「先祖が暗い地獄で苦しみ、あなたに助けを求めている」などがあるという。
渡辺弁護士は「この過程に100億から200億円の巨額の献金をした被害者もいる」と話し、「すべての財産を献金という名目で奪われ、高利の金融機関から借金まで出すように指示されたりする」と深刻な被害の状況を伝えた。
また統一協会は献金を出させるよう説得するための部署、相談して不安をけしかける中継役、 直接布教活動で声を掛ける部署などを組織的に配置して、周到に献金強要を計画していると渡辺弁護士は警告した。
◇被害家族「家族崩壊深刻な状況」=この日フォーラムでは、日本全国統一協会被害者家族会も参加して現地の具体的な被害事例を伝えた。
統一協会による一番多い被害事例は家庭崩壊問題で「統一協会が結婚を統制するためにこのような事が続いている」と被害者家族会は伝えた。ある被害者の場合、結婚を約束した恋人が統一協会に勧誘され、その後「あなたを愛するが神様をもっと愛する」と結婚を拒否、「合同結婚式に出て文教主が決めた人と結婚しなければならない」と話したという。またこの過程で統一協会内部の数人が「本人の意志では結婚するな」などと被害者を説得したという。
十数年間入会した夫婦が、統一協会から高額の病院費用を請求された事例も告発された。末期癌診断を受けた妻に対して統一協会から「奇蹟が起きて生きることができる」と韓国の某病院に移すようしつこく勧められてその病院に移ったが、妻はその2ヶ月後に死亡。さらにその医療費400万円を統一協会が請求、その中には妻の友人である統一協会会員がお見舞いに持ってきたお菓子代も含まれていたという。
妻が全財産を献金してお金がない状況で借用書を書かせるなど、手法が残忍だと判断した被害者は、幹部と掛け合って借用書は返してもらった。しかしそれ以後、統一協会は被害者の家、土地、畑まで狙い、「あなたの先祖は人を殺した」と先祖供養のための献金を強要したという。