同性婚に反対している英国国教会(聖公会)内の一部の福音派が、聖公会の世界的な保守派連合と手を組もうとしている。
英南部の3つの地域の12余りの教会が今週、会議を開き、聖公会内の保守派が2008年に開催した世界聖公会未来会議(GAFCON=ガフコン)で採択した信仰声明「エルサレム宣言」への支持を表明する。
会議は、ロチェスター教区のタンブリッジウェルズ聖マルコ教会のピーター・サンロン牧師によって主催される。
英テレグラフ紙によると、この会議では、英国国教会が同性婚を正式に承認するようになった場合、新たな英国国教会のシノド(総会)を立ち上げる可能性について議論するという。
英国国教会の主教たちは今年後半に会議を開き、性に関する問題に関してこれまで2年にわたって行ってきた「共有された対話」を経て、次の段階の討議をすることにしている。
英国には既に「チャーチ・ソサイアティー」や「リフォーム」のような幾つかの聖公会系の保守的なグループがある、とサンロン氏はチャーチ・ソサイアティーに語っている。
この他、GAFCON後に組織された聖公会の世界的な保守派ネットワーク「フェローシップ・オブ・コンフェシング・アングリカン」(FCA)や、英国における福音宣教活動を促進する「アングリカン・ミッション・イン・イングランド」(AMiE)もある。
そして、「アングリカン・メインストリーム」もこれに加わる。アングリカン・メインストリームのアンドリュー・サイメス氏は、「多くの聖職者と信徒は次のような課題を抱えています。私の神学的見解が、会員になっている教会によって『正統』だと考えられるとしても、実際にその教会から問題視されることはないのか、そしてどうすれば教会は『正統』だと見られるのか、また、聖公会であり続けながらも正統的でありたいと思う私や私と同じ考えの他の人たちにはどんな選択肢があるか、という課題です」と語る。
カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは、保守的福音派の背景を持つ人物だが、教会が同性愛者をどのように扱うかに関して、どれほど「常に戦々恐々としていたか」を、先月末に英中部のノーサンプトンシャーで開催されたクリスチャンのイベント「グリーンベルト・フェスティバル」で述べている。
サンロン氏は、「英国国教会の指導的聖職者たちが同性愛のような重要な問題について英国国教会の教義を薄めてしまうようであれば、今回行うシノドが英国において新たな権限を持つようになるのも容易だと思われます。カンタベリー大主教は教会の大部分が教会教義の変更を受け入れないだろうと示唆しました。これがこの論争の端緒となるでしょう」とテレグラフ紙に語った。
「私は英国国教会を離れませんが、留まるためには、英国国教会の宣教を果たしていくための新しい協力組織や枠組みを必要とします。それは、キリストのメッセージを英国全体にもたらすことになります」
アングリカン・メインストリームの広報担当者は、「これはGAFCONによって計画され、実施される新しい試みではありません。しかし、GAFCONとの共通点もたくさんあります」と述べた。
「これは(同性婚に反対するという)明瞭なメッセージを送るために計画されたある地域の試みです。私たちは福音の真理、英国国教会の儀式と教えを堅持します。英国国教会の教義の変更に向けて容赦なく動いていくことには反対します。信徒たちや私たちの使命を守るために行動を起こすのです」