生体肝移植を受けた患者が相次いで死亡した民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)」(神戸市中央区)が、4月にも破産申し立てをする方針だという。破産申し立ての方針を伝える文書(15日付)を債権者に送付したとして、神戸新聞などが伝えた。
KIFMECは、生体肝移植を受けた患者の死亡が昨年4月ごろから報じられて以降、患者数が減少。神戸市が改善を指導したり、十分な体制が整うまでは移植を自粛するよう日本移植学会が求めたりしていた。これを受け、KIFMECは同6月から移植を中断。外部の専門家らによる委員会の評価を受け、同10月には再開し、10例目となる生体肝移植を行っていたが、同11月から事実上の診療停止を発表していた。
その後、再建を目指して支援者を探していたが、実現可能な支援の申し出がなかったため、事業継続を断念したという。同紙によると、申し立ての時期は今後約1カ月を見込んでいるという。
KIFMECは2014年11月、肝臓病や消化器病の専門病院として開院。計10例の生体肝移植手術を実施したが、7人の死亡が確認され、うち5人は術後1カ月以内に亡くなったという。同紙によると、KIFMECの田中紘一理事長は生体肝移植の第一人者で、生体肝移植手術は田中理事長を中心に行われていた。
KIFMECのホームページには15日現在、「現在、諸般の事情により病院事業を縮小させていただいております。ただいま外来日等、調整をしておりますので暫くお待ちください。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんが、よろしくお願い致します」とする告知が掲載されている。