芳林堂書店(東京都豊島区、斉藤聡一代表)が26日、東京地裁へ自己破産を申請し、同日付で破産手続きの開始決定を受けた。負債は約20億円だという。帝国データバンクが「大型倒産速報」として伝えた。
帝国データバンクによると、芳林堂書店は戦後、古本販売業を目的に個人創業し、1948年に法人改組。71年にはJR池袋駅西口に芳林堂ビルを建設し、旗艦店となる池袋本店をオープン。その後も東京都内を中心に出店を進め、99年には年売上高約70億5000万円を上げていた。
しかし、その後は長引く出版不況と相次ぐ競合大型店の出店から売り上げが減少し、2003年に池袋本店を閉店、04年には芳林堂ビルを売却していた。その後も、店舗の閉店や新店舗の開店を繰り返し、最近は東京、埼玉、神奈川の3都県で計10店舗の直営店を運営していたが、昨年の年売上高は約35億8700万円に落ち込み、厳しい資金繰りを強いられていたという。
主力仕入先である書籍取次・太洋社(東京都千代田区)が今月5日、自主廃業を表明したことを受け、芳林堂書店は、会社の全資産の精査などを進める方針を明らかにしていたという。
一方、芳林堂書店は、商号を「株式会社芳林堂書店」から「株式会社S企画」に変更して自己破産を申し立てているという。また、事業は書泉(東京都千代田区)に譲渡することで合意に至っているという。