東芝メディカルシステムズ(TMSC)の売却手続きを進めてきた東芝は9日、この日開催した取締役会で、キャノンに対して東芝メディカルシステムズの売却に関わる独占交渉権を付与することを決定したと発表した。
東芝は今回の決定について、「各買い手候補者からのご提案を、TMSCの企業価値評価額、手続きの確実性等の観点から総合的に評価した結果、キャノン株式会社のご提案がもっとも優位性が高いと評価したものです」と説明している。独占交渉権の有効期間は今月18日までで、東芝は期間中にキャノンと最終合意に達するよう協議を続ける。
売却額は非公表だが、ロイター通信は関係筋の話として「6000億円は上回っている」と伝えており、日本経済新聞は「7000億円規模とみられる」と伝えている。
ロイター通信によると、東芝メディカルシステムズの売却をめぐっては当初、国内外の約10の企業などが候補に挙がっていたが、売却額増加にともない離脱し、今月4日締め切りの最終入札では、キャノンと富士フイルムホールディングスが競い合っていた。
日本経済新聞は、「金額面や売却後の事業体制、独占禁止法の審査が容易な点などが決め手になったようだ」と分析している。