クリスチャンの雇用者は、従業員の福利厚生を保証・充実させる責任があると、教皇フランシスコが語った。雇用者たちが従業員の必要を満たし尊重することは、「平信徒の宣教師」を雇うというスピリットであり、言わば「起業家たちの使命」であると説明した。
バチカンで先月31日、社長や重役などの企業幹部ら7千人が集まるイベントが行われた。そこで教皇は、企業幹部たちを宣教師になぞらえて話した。
「あなたは、家庭において、職場において、社会において、福音と教会の社会的教義の要求に対して忠実に生きるよう招かれています」と教皇は語った。「これは、ビジネスなどの困難かつ複雑な分野にあって、福音の社会的次元の中で宣教師になるという呼び掛けです。これは、貧困や弱さのあるさまざまな状況に対して、より福音を近くにもたらすことにつながります」
教皇は、雇用者たちに対し、従業員の仕事や家庭生活についてさらに理解を深めるよう求めた。また、雇用者たちが従業員との間に良い関係を持つよう努めるべきであると述べた。
特に、企業の経営者たちが、職場の労働力となる女性たちをさらにサポートするよう奨励した。「妊娠に当たっての職場における自分の使命や、家庭の中での自分の存在を確認していく」ことなど、とりわけ女性たちは常に多くのチャレンジに直面しているからだ。
「『私は妊娠していて、今月末に(仕事を)辞めます』と上司に話した女性たちは、これまで一体どれほどいたでしょうか」と教皇は語った。
教皇フランシスコは、今年12月8日の「無原罪の御宿りの祝日(the Solemnity of the Immaculate Conception)」から、来年11月20日の「王たるキリストの祝日(the Solemnity of Christ the King)」までとなるカトリックの特別聖年「慈悲の年(On the Year of Mercy)」に、人生を一変させるような計画を成立させたり、慈善事業を行う機会が、ビジネスのリーダーたちに与えられていると述べた。
「あなたは、企業家精神を育てるため、倫理上の市場の課題に対処するため、また何と言っても、良い雇用機会を創出するために協力するよう招かれています」と教皇は述べた。
さらに、彼らのビジネスが正しく機能するために、職業倫理を正しく実践していくことを勧めた。彼らがそうする時こそ「福音が生き、心の中で、思いの中で、そして行動の中でそれが現されるほどに実を結んでいく」と力強く述べた。