米最大の長老派教団が最近、ケンタッキー州ルイビルの本部で同性カップルの結婚式を執り行った。
アメリカ合衆国長老教会=PC(USA)のプレスビテリアン・センターのチャペルで今月3日、PC(USA)の職員が、ポール・ケンプさんとロブ・グウォルトニーさんの結婚式を司式した。
PC(USA)のスポークスパーソンは取材に対し、式には「家族や友人約25人と数人のスタッフ」が参列したと述べた。PC(USA)の公式サイトによると、司式はプレスビテリアン出版の編集者であるデイビッド・マクスウェル牧師が行った。
ケンプさんは、2012年からPC(USA)で働いており、グウォルトニーさんもPC(USA)の元職員で、PC(USA)が1988年にルイビルに移転した時の計画と監修を務めた。
ここ数年、PC(USA)は性倫理の施策を変更するなど、同性愛と同性婚をより広く受け入れている。
2010年7月の第219回総会では、各中会においてパートナーのいる同性愛者が按手(あんしゅ)を受けることができるよう投票で決定した。
今年、PC(USA)は、教会規定における結婚の公式の定義を、「1人の男性と1人の女性」から「2人、伝統的には1人の男性と1人の女性」に変更する修正第14条F項を圧倒的多数で可決した。
しかし、同性愛の受容を深めたことには高い代償を払った。200以上の所属教会が、PC(USA)を離脱したのだ。
神学的に保守的な立場をとる「長老派信徒委員会」(PLC)のカーメン・フォウラー・ラバージ委員長は、本部が同性カップルの結婚式を司式したのは許すべからざる行動だと述べた。
「私はこれを、PC(USA)は同性婚を支持しており、そうでない立場は呪われていると、公にかつ政治的に表明した挑戦的な行いだとみます」とラバージ氏。「率直に言って、PC(USA)が本部チャペルで同性カップルの結婚式を司式したというニュース以上にショッキングで驚くべきニュースはないでしょう。しかし、現にそうなっています。このことによって、この教団の将来を考える教会間での議論はさらに活発になるでしょう」と述べた。
またラバージ氏は、PC(USA)の教会規定の「結婚礼拝は、(教会の)宣教長老(教役者)が司式をし、小会の監督の下で行われる」という箇所を引き合いに出し、式の正当性に疑問を呈した。
「長老教会宣教委員会(PMAB)はそのどちらでもありません。ですから、私の疑問の一つは、誰がその式を権威付けたかということです。PMABは設備利用を認める権限はありますが、結婚を認める権限はありません」
「ルイビルのプレスビテリアン・センターのチャペルで挙式した2人には、所属教会があるはずです。籍を置いている礼拝のコミュニティーの中で挙式すればいいのではないでしょうか」とラバージ氏は問い掛けた。