アメリカ合衆国長老教会(PCUSA)の所属教会数が、2014年の間に1万を割り込んだことが、PCUSAが発表した統計で明らかになった。
PCUSAが今月初めに発表した報告によると、13年の所属教会数は1万38だったが、14年には9829となり、1年間で200以上減少した。110教会が解散し、101教会は離脱して他の教派に移った。一方、14年には15教会が新設されたという。
米国の主流派(メインライン)教団であるPCUSAは、教会員数も減少し続けており、13年は約176万人だったが、14年には約166万7000人にまで減少した。
PCUSAの総会書記であるグラディー・パーソンズ牧師は声明で、数字は数字で、あくまでも活力の一指標であると指摘。「教会員や教会数も、何かを物語っていることはあるにせよ、これがPCUSAがどのように世界に影響を与えるかというメッセージの全体ということにはなりません」と述べた。
「神は私たちが行おうとしていることに新たな命を吹き込み続け、そして人生に触れ、人生が変わるための新しくて創造的な方法を見つけるようにと、私たちを奮い立たせてくれます」。パーソンズ牧師は、残留教会の約42%が1教会当たり150~599人の教会員を保持していることを挙げ、それは「PCUSAが、神の新しい創造の業に入ろうとしている」ことを示していると語った。
「PCUSAは、その教会の置かれた地域、また世界中において、イエス・キリストの福音を生活の中で証しするということに最善を尽くす活気に満ちた教会です」とパーソンズ牧師は続けた。
PCUSAは過去数年にわたり、所属教会と教会員の減少に悩んできた。
PCUSAの総会宣教委員会によると、00年の教会員数は250万人を超えており、14年と比べて100万人近く多かった。11年には、所属教会数が96減り、教会員数も6万3804人減ったことで、教会員数が200万人を割り込んだ。
多くの教会・信徒が離脱する要因の一つは、PCUSAの神学的方向だ。同性愛の受け入れをめぐるこれまでの論争により、多くの所属教会がPCUSAを離れた。
PCUSAは2010年の総会で、各教会または中会が、パートナーのいる同性愛者に牧師按手を授けることができるよう決定した。この決定を受けて、多くの教会が離脱し、12年には、保守的な長老派のグループが福音長老カベナント教団(ECO)を創設し、同教団には現在約200教会が所属している。
11~13年に、解散したり、他の教団・教派と合併する教会が毎年増加し、13年には148教会がPCUSAから離脱。昨年の離脱教会数は101で、13年よりも47少なかったが、神学的な見解の違いの溝が埋まるよりも、教会が離脱するスピードの方が速いとする見方もある。