1月27日に報道されたところによると、ローマ教皇フランシスコは、かつて地元教会の司祭に「悪魔の娘」と呼ばれた性転換後の男性と私的に面会した。
その人は48歳で、女性としてスペインで生まれ、8年前に性転換手術によって男性となり、ディエゴ・ネリア・レジャラーガと改名した。
報道によると、ディエゴさんは昨年、教皇フランシスコに手紙を書き、教会がどれほど彼を見捨てられた者と感じさせたかを訴えた。またディエゴさんは教皇に、スペインのプラセンシアの教区民に拒絶されたとも訴えた。
スペイン語日刊紙「オイ」とのインタビューで、ディエゴさんは教皇が自身の不満を聞き入れることをとても期待していた。「多くの機会で教皇が話すのを聞いて、私は教皇が耳を傾けてくれるかもしれないと感じました」とディエゴさんは話していた。
教皇フランシスコは歴代教皇の中でも教条的でないことで知られ、昨年のクリスマスイブにディエゴさんに連絡を取ったという。報じられたところによると、教皇はディエゴさんとその婚約者を1月下旬、私的な会見のためバチカンに招き、面会した。
教皇は同性愛者に比較的寛容なことで知られている。教皇は2013年、記者らに対して自分は同性愛者を裁く立場にないと語ったあと、性的少数派の雑誌『ザ・アドボケイト』の表紙を飾った。また、イタリアのイエズス会の機関誌のインタビューで、教皇は、教会が同性婚、中絶、避妊の問題に悩まされていると説明していた。
米国の性的少数派雑誌『ワシントン・ブレイド』によると、性的少数派の団体「ファンダシオン・トリアングロ」のホセ・マリア・ヌニェス・ブランコ代表は、教皇のディエゴさんとの会見について「よい知らせのひとつ」と語った。
「ある宗教を信じる人が、その信仰の中に生きることを阻まれるのは全くもって不合理なことです。愛の宗教を主張しながら、憎しみを広めることに自らをささげている人もいます。カトリック教会が信者のため、また信者でない人のために、憎悪と苦しみを生み出す機械であることを止めることを期待します」とブランコ氏は語った。