厦門大学の墓碑群を見学
この地は東西の交易海路として有名で、西はローマからペルシア、インド、南シナ海を経て中国、東は韓国、日本の港へと貿易が行われ、一般に海のシルクロード、マリンロードともいわれています。唐代には、景教徒たちがペルシアからこの地の港に上陸し、陸路で北上して西安に上京した者もいて、長安と泉州は行き来がありました。私は泉州の次に厦門(アモイ、中国語でシアメン)市の厦門大学を見学しました。
厦門大学人類博物館
博物館の元代の遺跡は、この大学に貢献した人物が、地域で発掘されたものを蒐集献品したものだとの説明で、他にもさまざまな発掘遺品がありました。
エリカオン(也里可温)教以外の所蔵品も数多く展示されていたので紹介します。
見学のお礼に筆と墨と紙が用意されていたので、掲示されていた文字と同じものを書かせてもらって贈呈しました。
次に、厦門博物館や、中国で1848年に最初に建てられたプロテスタント教会「中華第一聖堂・厦門市基督教新街堂」を見学。当時の伝教師たちが使徒信条などを教えている写真や教会学校の教本なども展示されていて感心しました。
福建省の墓碑を見学した理由
私が泉州の地の墓碑を見たいと思い立ったのは、2008年10月に愛知県瀬戸市の県陶磁資料館で展示開催された「海のシルクロードの出発点 “福建”」を見てからでした。会場には福建省から移送されてきた墓碑が展示されていて、前々から実物を見たいと願っていたのが、目前にあり、それに魅了されてからでした。
十字や雲のデザインは景教碑にも刻まれ、シリア語も共に刻まれていることが東方教会の特徴であることを確認できます。
日本からは中国の泉州は遠く、墓石群見学は無理と考えていましたが、天の父なる神様のみ旨にかない、祈りが聞かれて見学することができたことは神様の恵みによるお働きであり、そして多くの関心のある方々に発信できることも大きな幸いです。
「求めなさい。そうすれば与えられます」との約束の御言葉が与えられていることは大きな助けで、神様に大変感謝しています。
※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
『景教碑の風景』(シリーズ「ふるさと春日井学」3、三恵社、2022年)
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