私は今日までさまざまな所で伝道牧会をさせていただきましたが、やはり高知市での伝道が一番長くなっております。そのような経験から考えますと、高知市での牧会は、諸教会の協力がかなり潤滑になされているように思います。高知市だけでも30以上の教会があって、それぞれの教団教派もまちまちであります。単立教会も幾つもあります。カトリックからプロテスタントまで、さまざまな教団が存在しています。
そのような異なったキリスト教の教団教派があるにもかかわらず、3カ月に1度は必ず市内神父牧師会を開催しております。これは、私の知っている限りでも40年以上続いていますから、歴史はもっと古いと思います。そして、これらの諸教会が以前は毎年、最近は2年に1度、必ず高知市民クリスマスという催し物を協力して行ってきております。
このようなことは、できそうでなかなかできないものであります。各教団教派にはそれぞれの教理があり、教会政治があり、他の教団や教会に対してさまざまな姿勢がありますから、協力して何かをするということは容易ではない場合が多くあります。しかし、高知においては、このような協力がかなりよくできているのではないかと、私は思っています。
超教派の催し物がかなりたくさん毎年行われています。アシュラム、キリスト教海外医療協力会、世界祈祷日、説教研究会、教誨(きょうかい)師会、ギデオン、朝祷会、清和学園支援、ボランティアビューローなどなど、超教派の働きが数多くあって、教団教派を越えて交わりをし、協力してキリストの宣教のために多くのキリスト者が参加しています。各個教会に閉じこもることなく、広く門戸を開いて他教団や他教派との交わりを通して学び、互いに成長し、全体としてキリストの福音を広めるという働きに参加しようという教会が多いことは、実は素晴らしい恵みであり、神様に喜んでいただける道だと信じます。
教会には古くから「本質においては一致を、非本質においては自由を、そしてすべての事において愛を」という言葉があります。本質とはキリストの十字架と復活信仰であって、そこにおいては一致して、その他の事においては寛容な心をもって協力していけば、一教会では成し得ないことを実現できるということを、ここ高知では見ることができているように私は思っています。主に深く感謝しています。
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