キリスト教の弟子訓練普及に努めてきた小牧者訓練会の創始者である韓国人宣教師・卞在昌(ビュン・ジェチャン)氏(国際福音キリスト教会前主任牧師)が、複数の女性信徒にセクシャル・ハラスメントを行っていたとされる問題で、卞氏から性的自己決定権を侵害されたとして、同会及び関連会社に所属していた女性らが卞氏らを相手取り、一人当たり一千万円の損害賠償を求める民事訴訟を東京地裁に起こした。
訴えられたのは卞氏と妻のチョウ・アイラン氏、また卞氏らが代表を務めた宗教法人小牧者訓練会、株式会社小牧者出版、有限会社ポエマの三法人。
訴えでは、卞氏が霊的指導者としての立場を使い、自身の絶対的権威を説いて女性らの性的自己決定権を侵害、妻のアイラン氏もその実態を知りながら放置、助長していたなどとしている。
これら一連の問題をめぐっては昨年12月、「宗教法人『小牧者訓練会』による被害を受けた女性達の救出と癒しを目的とする会」(FOE=Faith of Esther)が発足。性的被害を受けた女性たちの救出と癒し、回復のためのサポートや、性的被害の実態解明を目的に、グループケアやカウンセリング、相談・セミナーの開催などを行っている。
また、今年2月には小牧者訓練会と協力して日本での弟子訓練運動を進めてきた牧師らを中心とした「卞在昌宣教師の性的不祥事を憂える超教派の牧師会」が、卞氏に謝罪を求め、日本での弟子訓練の再構築の必要性を訴える緊急声明を発表した。
国際福音キリスト教会の信徒有志らも声明を出し、「今、教会は瀕死の状態です。主流派の教職者と多くの信徒との間の信頼関係は損なわれ、教会は廃墟の様相を呈しています」と同教会の現状を憂え、「事態を放置してきたことを深く反省し、悔い改めるべきは悔い改め」るとする一方、信徒の立場として、 卞氏が事実を認め謝罪すること、小牧者訓練会による釈明と連帯して道義的責任、損害賠償責任等を果たすこと、を要求。「主にある愛の交わりを回復したい」と訴えていた。