不安をあおって高額な印鑑や水晶を売り付けたとして、大阪府警生活経済課などは28日、いずれも世界基督教統一神霊協会(統一協会)信者で大阪市淀川区の印鑑販売会社「共栄」の従業員・村上貢容疑者(68)ら4人を特定商取引法違反(威迫・困惑)の疑いで逮捕した。
4人は「脅してはいない」などと供述し容疑を否認しているという。同課は同社を統一協会の関連会社とみて調べを進める方針。
同課によると、4人は昨年1月から9月にかけて、30代から60代の女性計3人を吹田市などの販売店に勧誘。姓名判断や手相占いをした上で「先祖に悪い因縁を持つ者がいる」などと言って不安をあおり、印鑑セットと水晶の置き物を計360万円で売り付けた疑いが持たれている。
統一協会関連会社のいわゆる「霊感商法」をめぐっては今月10日、東京・渋谷の印鑑販売会社「新世」の社長を含む7人の初公判が東京地裁で行われ、同社社長の田中尚樹被告(51)らが「間違いありません」と起訴事実を認めている。
同事件では、拡販などを指示し、事件に深く関わったとして6月に統一協会・南東京教区本部(渋谷区)の家宅捜索が行われた。また、同社事務所からは印鑑購入者を統一協会に入信させるためのマニュアルも押収されるなどし、これを受けて統一協会の徳野英治会長(54)は7月、同社との関係を否定しながらも、「社会に心配をかけ、一般信者にも迷惑をかけた」などと理由を説明し辞任している。