日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会、政教分離の侵害を監視する全国会議、平和遺族会全国連絡会の3団体が48の賛同団体との連名で4日、石原慎太郎知事が15日に靖国神社を参拝しないよう求める声明を東京都に提出した。
声明では石原都知事の靖国参拝について、靖国神社に宗教法人としての認証の手続きを行ったのは都知事であり、その都知事自身が靖国神社を参拝することは「国およびその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」とする憲法20条の正教分離原則に違反するだけでなく、「『認証』の手続きに責任を持つ都知事として自己矛盾の何ものでもありません」と強く非難。憲法99条にある憲法尊重擁護義務の再確認を呼びかけた。
また、巨大国際都市である東京の知事が「A級戦犯犯罪人を『神』として祀り、アジアへの侵略戦争を『自衛』の戦争として美化し続けている」靖国神社に参拝することの影響は大きく、「戦争被害による悼み・悲しみ・憤りを持つ方々の心をさらに傷つけ、和解と共生に逆行していることは明らか」と指摘。今年5月7日の日中両政府の共同声明の内容に触れ、「アジアの中の日本のあり方が問われている時」とし、改めて参拝の中止を強く求めた。
石原都知事は知事就任2年目の2000年から8年連続で、15日に靖国神社を参拝している。
一方、福田首相は5日、総理大臣官邸で記者団に対し、15日に靖国神社を参拝しない考えを示した。また、福田改造内閣の17人の閣僚では、保岡法相が15日の参拝を表明しているが、すでに12人は参拝しないとしている。