北米で最も著名な福音派神学者の一人であるJ・I・パッカー氏(83)が、福音派教会に対してカテキズム(教理問答)とキリスト教信仰の本質についての体系立った教育が必要だとし、これらの回復を求めた。
パッカー氏は、こういった発想は多くの福音派にとって思いもよらないものだと思うと言う。
リビングチャーチ・ニュースサービスによると、米テキサス州ダラスの聖マタイ大聖堂で9日に行われた講演で、パッカー氏は「我々が異教信仰に漂い戻りつつある、というのはその通りだ」と指摘。「聖書に基礎を置き、キリストが中心にあり、それらを立派に宣言する」教会の姿を切望していると語った。
パッカー氏は、聖書の無謬性を宣言した「シカゴ声明」(78年)にも署名し、タイム誌(05年)の世界で最も影響力を持つ神学者25人の1人に選ばれている、北米で最も影響力のある福音派神学者の一人。
「堅信すればその後信仰について学ぶことは必要ないというのは話しにならない」「継続的な学びは、キリストによる召命の一部」と述べ、カテキズムを回復することは21世紀の教会にとって非常に大きな挑戦だと語った。
英国生まれでカナダ聖公会に属していたが、聖書の権威や同性愛の問題においてリベラル化が進んだため、他の聖職者10人とともに08年に脱退している。現在は、保守正統派の聖公会南米サザンコア管区所属。
米国の福音派雑誌『クリスチャニティ・トゥデイ』の執筆者でもあり、著書『神について(原題:Knowing God)』はベスト・セラーとなった。