市民にクリスマスの起源に対する理解を深めてもらおうと、英国の諸教会がイエス・キリスト生誕にちなんだ記念撮影サービスを用意する新しい試みを開始した。
このプロジェクト「ゲット・イン・ザ・ピクチャー」(訳:写真を撮ろうよ)は、キリスト生誕に関連のある人物の衣装を着て、生誕の場面などを描いた舞台セットで記念撮影ができるというもの。英国聖書協会、英国バプテスト同盟、宣教団体、キリスト教系ホームページ制作会社らの共催で実現した。
プロジェクトに参加登録すると、専用ホームページに設置場所を登録でき、ポスターなどの宣伝用品や撮影講習といった支援も得られる。衣装や背景、小道具など撮影に必要な物は全て教会が用意する必要がある。設置場所の使用許可も登録者単位で申請する必要があるが、プロジェクト本体を自治体に事前通知してあるため、審査のハードルは格段に低くなった。複数の教会でチームを作って参加したり、信徒の協力を得て大規模な商業施設内に舞台を設置したりと、地域の教会同士の連携にも拍車がかかる。
撮影した写真は専用サーバーに保管され、ホームページからダウンロードしたり、家族や友人に電子メールで送信したりできる。ホームページにはキリストの生誕や聖書の言葉を紹介する電子トラクトやビデオ、近隣教会のクリスマス礼拝の案内などを掲載。記念写真を撮った人が教会に導かれれば、と願っている。
主催側によると、新生児を連れた夫婦を中心とした撮影が特に人気で、撮影した写真を受け取るためにホームページを訪れる割合が最も高い。わが子を白い布で優しく包んでみどり児イエスに見たて、両親扮するヨセフとマリア、友人ら扮する東の国の博士たちが揃えば恵みもひとしおだ。子どもの祝福を願って後日、家族揃って教会に足を運ぶきっかけにもなりそうだ。
主催側は「キリストの生誕にちなんだ記念撮影の思い出は、こころにまかれた福音のたね。未信者の家族や友人に聖書への関心を促す機会として、教会や信徒に積極的に参加してもらいたい」と話している。