【CJC=東京】教皇ベネディクト十六世は5月8日午前、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ自治区など"聖地巡礼"訪問にローマを出発、同日午後、最初の訪問地ヨルダンの首都アンマンに到着した。
今回の訪問は、ベネディクト十六世にとって12回目の海外訪問。教皇の聖地訪問としては、パウロ六世(1964年)、ヨハネ・パウロ二世(2000年)に続くもの。
バチカン放送(日本語電子版)によると、アンマン国際空港では、国王夫妻が教皇を出迎えた。空港での歓迎式で教皇は、豊かな歴史と文明、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教にとって深い宗教的意味を持つ国、ヨルダンを訪れた喜びを表明した。
「私は1人の巡礼者としてヨルダンにやって来た」と述べた教皇は、ヨルダンのイスラム共同体が推進する文化・宗教対話の姿勢に深い敬意を表明した。中東・世界平和の推進、諸宗教間対話、イスラエル・パレスチナ闘争解決支援、イラク難民の受け入れなどで、ヨルダンが第一線で果たしてきた役割を称賛した教皇は、同国がこれからも中東全体の恒久平和と真の正義の追求を続けることを要望した。
教皇は、初日の公式行事として、アンマン市内の障害者リハビリテーション施設『レジナ・パーチス(平和の元后)センター』を訪問した。同センターは、障害者のリハビリテーションと社会参加を目的に、ヨルダンのカトリック教会ラテン典礼総大司教区が創立した施設。
同センター付属の教会で行なわれた集いで、教皇は今回の巡礼でご自分が携えてきたものは「祈り」であり、「祈りとは希望を行為にしたもの」と述べた。教皇はこの後、王宮に、アブドラー2世国王とラーニア王妃を表敬訪問された。
聖地巡礼2日目の9日午前、教皇は、アンマン南西約40キロにあるネボ山を訪問した。ネボ山は、標高806メートル、モーゼが最後に約束の地を見下ろした場所として知られる。ヨルダン渓谷、死海、エルサレム、ベトレヘムなど、聖地とヨルダン南部を一望出来る。
教皇はネボ山のモーゼ記念教会を訪れた後、展望台からの眺めに時を過ごした。
続いて、教皇はマダバを訪問、カトリック・ラテン典礼総大司教区の大学建設のための礎石を祝別した。