【ローマ=ENI・CJC】バチカン(ローマ教皇庁)は、英国国教会の女性の主教叙階支持の決定を、カトリック教会との対話への妨げだとする声明を7月8日発表した。「そのような決定は、最初のミレニアム(千年期)以来、今日も、教会のすべてによって維持されている使徒的伝承の中断を意味するものであり、したがって、カトリック教会と英国国教会の和解にとってさらなる障害だ」とキリスト教一致推進評議会の声明は指摘している。
女性が英国国教会で司祭に最初に叙階されたのは1994年のこと、当時の教皇ヨハネ・パウロ二世は「使徒的書簡」で、「教会には、女性を聖職に叙階する権威はない」と指摘している。
ロシア正教会モスクワ総主教座も、対外教会関係部門のイーゴル・ビュザノフ師が「この決定はキリスト者相互の対話にとってはもちろん苦痛である。英国国教会の共同体を使徒的伝承からさらに遊離させることになる」と、インターファクス通信に語った。
一方、1992年に世界で初めて女性でルーテル派監督になった独ハンブルクのマリア・イェプセン氏は、英国国教会の決定を「期限切れ」と見なしている、とドイツのプロテスタント通信『epd』は報じた。「ただ当然ではある。女性は長年にわたって聖職者として仕えてきたのだから」と、言う。イェプセン監督は、1994年に英国国教会の最初の女性叙階式に出席している。