カトリックで死後その徳と聖性を認められた信徒を「福者」とする列福式がいよいよ来月24日、長崎で開催される。日本での開催は初となり、国内外から約2万7000人の参列が見込まれている。
今回、福者となるのは昨年6月に選定されたペテロ岐部を含む江戸初期の殉教者188人。一度にこれだけ多くの日本人が列福されるのは1867年以来となる。長崎の信徒にとって列福式は四半世紀にわたる悲願。1981年、当時のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の来訪を機に嘆願運動が始まり、昨年ようやく教皇庁の承認が得られ殉教の地・長崎での開催が決まった。
地元の西日本新聞によると、式の際、地元のカトリック系大学の学生がボランティアで会場のガイドを務めるほか、信徒だけでなく地元の医師や看護師ら約130人も参列者救護のため会場に待機するなど、県を挙げての支援の輪が広がっているという。
また、同県では現在、世界遺産候補となっている「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の本登録を目指しており、行政関係者らは列福式がその後押しとなると期待。支援を求める冊子を全参列者に配る方向で準備を進めているという。