先月には登録者が500万人を突破し、巨大な企業戦略の場としても成長しつつある米リンデン・ラボ(Linden Lab)社が運営する3Dバーチャルワールド「セカンドライフ(Second Life)」で、真剣に主に礼拝をささげる教会が出現していると、米クリスチャンポスト紙が5日報じた。
セカンドライフは米・サンフランシスコに本社をおく、リンデン・ラボ社が運営するインターネット上の仮想世界のことで、90ヶ国を超える国の人々が参加しており、先月28日には登録アカウント数が500万を突破した。
共通の言語は英語で、自分が作りたい様々なものを、仮想の空間内に創造することができる。セカンドライフの中では通貨「リンデン・ドル(Linden Dollar・L$)が発行されており、リンデン・ドルは現実通貨の米ドルと換金が可能。その市場に目をつけた企業がすでに様々な戦略に乗り出している。
一方、このような仮想世界内にも教会が建てられており、今ではその数は30を超える。実際にその仮想教会の1つに所属しているというラリー・トランス氏によると、セカンドライフ内の教会で約10の教会は真剣に礼拝をささげているという。
トランス氏はセカンドライフに初めて参加したとき、仮想のアパートを作ったり仮想の仕事を探したりしたというが、そのような仮想世界の中でも神の存在が必要だと思ったという。「もし現実の生活で神さまのために生きようとしているのであれば、仮想の世界でもそのようにしようとするでしょう。その中で、仮想の世界で真剣に礼拝をささげるている人々に出会ったのです」と同氏は語る。
今年、セカンドライフの住人は初めて復活祭を一緒に集まり祝うという。また今年は1日のしゅろの主日から復活祭までの間、7つの仮想教会が合同で「贖いの週間2007」ツアーを行い、各教会が1週間の間、ポッドキャストによる説教や、アートワーク、イエスの一生から復活までの劇などの催しを行っている。
トランス氏は、自身にとってセカンドライフは一つの宣教の場ではあるが、現実世界に代わるものではないと話す。セカンドライフ内の仮想教会の一つであるノースバウンド教会では、毎週の礼拝は土曜日の夕方に行われるなどの配慮もとられている。トランス氏は、「現実の世界の主日礼拝に人々がより積極的に参加することを願っている」と語った。