【CJC=東京】教皇ベネディクト16世が使徒憲章で承認した方式に従って、英国国教会(聖公会)の保守派が今年4月24日の復活祭までに50人が転会するものと見られているが、その第1陣、前主教3人、夫人2人、元修道女3人たちが1月2日、ロンドンのウエストミンスター大聖堂で、満員の会衆を前に聖体を受けた。正式にカトリック教会に帰属したのは12月31日、とアラン・ホープス司教。
英国国教会離脱の最大理由は女性主教問題。ただ同司教は「真理の充満を求めて、彼らは旅をし、それをカトリック教会に見出したのだ」と言う。
使徒憲章で、教皇は教会法上の組織の一つ、属人的司教区(オルディナリアーティ・ペルソナーリ)の形を導入した。これまで聖公会に属していた信者がカトリック教会との完全な交わりに入ることを可能にすると同時に、これらの信者がアングリカンの精神遺産と典礼の要素を保つことが出来るようになる。
今回の動きで懸念されることの一つは聖職者独身制。カトリック教会は、東方典礼の一部を除き、聖職者は独身であることを要件としている。これまで妻帯した聖公会司祭がカトリック教会に転会した場合、その権能が限定的なものだった。これが属人区とは言え、そこで妻帯司祭や司教が完全な機能を果たすことになれば、新たな混乱を生じかねない。
聖公会の霊的最高指導者カンタベリー大主教ローワン・ウイリアムズ氏は、不満者の大量転会が実現すれば、司祭不在の教区が生まれることも有り得ると懸念を表明していた。