南アフリカで6月11日に開幕し、連日世界中を熱狂の渦に包んでいる「2010FIFAワールドカップ」。この大会の中で、「北朝鮮人に福音を伝える」という勝負に燃えるブラジルの宣教団体がある。
イギリスの日刊紙「ガーディアン」によると、この団体はブラジルのバプテスト教会から派遣された宣教師200人からなる一行。代表の牧師、マルコス・グラバ・バスコンセロス氏は同紙の取材に対し、「北朝鮮が本戦に出場できるよう長年祈ってきた。今回、北朝鮮がブラジルと同グループで試合をすることが決定したとき、福音を伝える機会が与えられたことを喜び、神に感謝した」と語った。
北朝鮮のW杯本戦出場は1966年以来2回目。6月15日に行われた対ブラジル戦では1対2で敗れたものの、強豪を相手に予想を覆す高水準のプレーに世界中が賛辞を惜しまなかった。
宗教が著しく制限されている北朝鮮。信仰を理由に強制労働収容所に収監されているクリスチャンは4〜6万人いるとみられる。北朝鮮人がW杯を通して「開かれた世界」の存在を知ることができれば、と積極的に活動するバスコンセロス氏一行。守りの固い北朝鮮の心にゴールを決められるか、信仰のファンタジスタたちの活躍が注目される。
このほかにもW杯を利用して福音を伝えようという働きがある。米国に本拠を置くスポーツ宣教団体「アスリーツ・イン・アクション」は大会期間中、北朝鮮など信教の自由が保障されていない国からの来場者を対象にしたDVDを配布する。このDVDは、クリスチャンの有名選手たちがキリストを証しする内容。ブラジルのカカ(本名:リカルド・イゼクソン・ドス・サントス・レイチ)選手をはじめ、ティム・ハワード選手(米国)、クラレンス・グッドソン選手(同)、オスカー ・オウォロ選手(コンゴ)、ニコラ・レグッタグリー選手(イタリア)、マルコス・セナ選手(スペイン)、シリル・ドモラウド選手(セネガル)らが出演している。
W杯は7月11日まで開催される。この期間、福音宣教チームの大量得点を期待し、「祈り」という名のブブゼラで大声援を送りたい。