イスラム国家サウジアラビアの宗教警察は11日、キリスト教を起源とする14日のバレンタインデーを前に、同日を連想させる赤いバラなどの商品の摘発を全国一斉に始めた。AP通信などが伝えた。
宗教警察は街中の巡回を強化。「従わない者は処罰する」と警告しつつ、赤いバラやハート型の商品などを店頭から撤去するよう指導、ホテルやレストランには特別な装飾をしないよう命じている。なお、こうした商品はバレンタインデー以外の時期には販売が許されているという。
同国はイスラム教の中でも戒律が厳格なワッハーブ派が国教。イスラム法(シャーリア)の遵守を理念に掲げ「人間が意思の自由を持ち得るとの主張は異端である」などと定義している上、女性に対しては自動車の運転も禁じている。
サウジアラビアは、米国のキリスト教抑圧監視団体「オープン・ドアーズ」が先月発表した、キリスト教徒に対する迫害が最も激しい国をまとめた「ワールド・ウォッチ・リスト」2010年版で北朝鮮、イランに次ぐ3位にランクインしている。