英国国教会(聖公会)は19日、イングランド女王エリザベス1世の署名が入ったスコットランド女王メアリー・スチュワートの処刑執行命令書の写しを買い取ったことを発表した。AFP通信が伝えた。
写しを購入したのはロンドンのランベス宮殿内にある同教会の図書館。処刑後に廃棄されたとされるオリジナルの、現存する唯一の写しとされており、7万2485ポンド(約1520万円)で買い取られた。同図書館司書のリチャード・パーマー氏は、「国家的文書の保存に貢献できてうれしく思う」(同通信)と語った。
同教会は16世紀、当時のイングランド王ヘンリー8世の離婚問題が原因でローマ・カトリック教会と分裂し、独立。エリザベス1世は、そのヘンリー8世が王妃キャサリン・オブ・アラゴンとの離婚後に結婚した2番目の王妃アン・ブーリンとの間に生まれた。ヘンリー8世の死後、エドワード6世はプロテスタント夕優遇政策をとり、メアリー1世はカトリックへの回帰を試みプロテスタントを迫害するなどしたが、エリザベス1世は彼らの死後に女王に即位。英国国教会を国家の柱に位置づけた政策を行い、同教会の基盤を築いた。