スウェーデンの国教であるスウェーデン教会が、来年1月に見込まれている婚姻法改定を前にして、教会での同性カップルによる挙式を正式に認めることを発表した。ただし、「結婚」という言葉は異性間でのみ使用するべきとし、同性間での使用を否定した。
同国の婚姻法ではこれまで、結婚を男女間のものと定義していたが、新法では結婚が「性別的に中立」となるよう、定義から性別に関する言及が削除される。人口約910万人の内、約720万人が所属する同教会はこれまで、来年の改定を目指す同国政府からの働きかけを受けていた。
AFP通信によれば、教会側は「(異性間の)結婚と(同性間の)パートナーシップは、同等な結合形態である。それゆえ、スウェーデン教会の中央委員会は、結婚とパートナーシップに関する法律を一つの法律としてまとめる提案に賛成する」と、改定への支持を明らかにしている。
スウェーデンでは、95年から登録パートナーシップ法により、同性カップルにも一般の夫婦と同様の法的立場が認められているが、同性愛支持の諸団体は、同性の関係においても「結婚」という言葉を用いるなど、「異性カップルとの違いの完全な排除」を求めてきた。同教会のアンダース・ウィジュリッド・ウプサラ大主教はAFP通信に対して、「委員会でも異なる意見があったが、しかし、結婚は男女の関係でのみ用いる言葉だと感じる者が大多数であった」と語っている。
同教会では今年から既に、同性愛者への「祝福」が実施されている。新法が成立すれば、同国は世界で初めて、主要教派が同性カップルによる挙式を認める国となる。