日本で着実に広がっていくホームスクーリング、チャーチスクール。荒廃が懸念される日本の学校教育を受けて、最近ではそのニーズも高まっているという。小さい頃は親に従い、神様を信じていた子供たちが、その後、義務教育や友人関係、メディアを通じて価値観の衝突を経験する。「クリスチャンとしての自己同一性(アイデンティティ)」が揺るがされると、結果的に、世に奪われて神から離れていくという事態が少なくない。ホームスクーリングは、神を愛し恐れることを親が最初に教えなければならない(申命記6:4−7)という信念から、聖書の教える教育、使命と責任への応答、保護者を支える教会とクリスチャンの養成を目指す働きだ。
その根底には、地の塩、世の光として主を証ししていくキリストの弟子の育成、全てのクリスチャンをキリストを中心にひとつにしようという福音宣教の精神がある。大切な子供たちの魂を、永遠の「苦しみ」(黙示録14)ではなく、「いのち」(ヨハネ福3)に導く。「全国のホームスクーラー、チャーチスクールが親・教師・教会・ミッションスクールらと広く連携するため、ネットワーキングを支援するのが『チア・にっぽん』の使命です」と同代表の稲葉寛夫さんは語る。 『チア・にっぽん』は、この動きを全国規模に拡張しようと、コンベンション・セミナー、月刊誌、聖書を基盤とした教科書の発行、レクリエーション企画を通じて地域ネットワークの強化に努めている。
2004年5月中旬開催予定の「チア・コンベンション」では、「キリストの弟子となる−若者をその行く道にふさわしく教育せよ」(箴言22:6)をテーマに、各界の最前線で活躍する30人を国内外から講師に迎える。2001年のコンベンションには850人が参加、翌02年は1250人、03年5月は1850人に上り、今年は東京、大阪、札幌、仙台、広島の5都市で同時開催される。この成長振りは、クリスチャンたちの渇望と教会学校の有効性の現れだ。
昨年、仙台・明泉学園でチア・にっぽん主催「サマーキャンプ&カントリー・フェア」が開催された。当初の60人という募集人員を遥かに超える230人が全国各地から参加、大成功を収めた。「キリストに従うこと」をテーマに、大きな喜びと驚きとネットワーキングを目指したキャンプで、4000人の園児を抱える明泉学園スタッフによる本格的な集会だ。04年夏も開催の予定で、参加希望者が03年12月初旬までに200人を超えた。イベント直前に応募の殺到が卵zされるため、スタッフを大幅に増員、超大型遊覧船を用意して対応する。キリストに従うことの喜びと感動を追い求める話題のキャンプが今年、人びとの注目を集めそうだ。
聖書を基盤とした生活の毎日を支えるのは「聖書に立つ教科書刊行プロジェクト」。既刊書「心を育てるために〜聖書」「キリストの生涯に学ぶ〜聖書3」「りか1、3」に加え、中高生向けの「聖書10」が出版される。今年は各書のシリーズ化も進められ、「世界史」など他教科も順次発刊される。
稲葉さんは04年、各地方のネットワーク形成を強める一方、教育課程や学校の法的整備を進めて、聖書に基づく教育に対する理解と享受を目指す方針を明らかにした。チャーチスクールや関連機関の法人化が実現すれば、クリスチャンと教会の保護や未信者のキリスト教に対する意識の向上も期待され、福音宣教の大きな働きとなりそうだ。
活動に関する問い合わせや参加垂オ込みはチア・にっぽん(東京都新宿区西早稲田、03・5155・9212、http://www.cheajapan.com/)まで。