東北学院大学(仙台市青葉区、星宮望学長)は30日、2011年度から文学部キリスト教学科(定員10人=原口尚彰学科長)の募集を停止し、新たに総合人文学科(定員30人)を設置すると発表した。これまでキリスト教学科で行ってきた授業は、新設学科内の「宗教・神学分野」で行い、キリスト教の牧師伝道者養成は継続する。
同大は1886年、日本初のプロテスタント教会である日本基督公会の設立に関わった押川方義氏(初代院長)と米国人宣教師のウィリアム・E・ホーイ氏(初代副院長)が中心となり、「仙台神学校」として創立された。当時は学生6人全員が伝道者志望。現在の東北大学医学部キャンパスと農学部キャンパスの間に位置する木町通の借家で私塾として始まった。
5年後の1891年には市街中心部の南町通に新校舎が完成。神学生だけではなく一般からも広く生徒を募集するため普通科を設置し、「東北学院」と改称した。その後もキリスト教の牧師伝道者の養成機関としての役割を果たし、キリスト教学科は同大の中核学科として位置づけられてきた。
しかし、近年では定員割れが続き、またキリスト教の信徒以外の学生も入学するケースが出てきていた。こうした中大学は、伝道者養成の機能を維持しつつ、より広く未来を担う地球市民としての人材育成を目指して、今回の学科編成を決めた。
総合人文学科には「宗教・神学分野」のほかに、「思想・哲学分野」「文化・芸術分野」の合わせて3専修が設置される。定員30人に対して専任教員10人という徹底した少人数教育を目指すとしている。来年4月に文部科学省に届出を出す予定で、10年度の入試は現在の学科のままで実施される。11年度から総合人文学科の募集が始まり、それに伴い文学部英文学科の定員が昼間主コース、夜間主コースそれぞれで200人(15人減)、30人(5人減)となる。同学部歴史学科(定員150人)は変わらない。