英国国教会(聖公会)は、日頃顧みられない水上生活者に対する宣教のために、先駆的な試みを始める。英デイリー・テレグラフ紙(英語)によると、同教会のロンドン教区が、イーストロンドンの運河網を航行する教会型の船の建造を発注した。
この「教会船」は、ロンドンの建築設計事務所「デニゼン・ワークス」が設計し、完成すれば、「クイーン・エリザベス・オリンピック・パーク」の近くの運河網を航行する予定だ。旧来の荷船のようなデザインだが、フォルクスワーゲンのキャンピングカーに似た拡張型の折り畳み式屋根が付いており、約60平方メートルの広さのある船上に、ゆとりのある空間を与える。
ロンドン教区はこの夏、この教会船の計画について協議し、すでにテムズ川からオリンピック・パークまでの運河沿いの数カ所に停泊させる許可を、管轄するニューアム区に申請している。
ステップニー主教のエイドリアン・ニューマン氏は7月、地元のイーストロンドン・アドバタイザー紙(英語)に次のように語った。
「イーストロンドンの水上教会はロンドン教区が宣教活動を拡大し、さまざまな共同体を支援していこうとする道を示しています。この計画は現実に至る『ビジョン』なのです」
教会船が完成するまでは、「水に浮かぶ教室」として有名なウェストロンドンの電動船「エルスデール2」を使って宣教する。エルスデール2は学校や地域社会の行事などのために、10年以上も使われている。
デニゼン・ワークスのホームページ(英語)によると、教会船は今年12月に完成する予定。