ルーテル世界連盟(LWF)は、南スーダンで再起しつつある内戦の被害者たちへの追加支援を強く求めている。LWFの情報部門、ルーテル世界情報(LWI)が14日、LWFの公式サイトで伝えた。
首都ジュバにおける平和協定が破られ、武力衝突が起きてから半年を経て、戦闘は全国に広がったとLWIは伝えている。
今年9月、南スーダンは、シリアやソマリア、アフガニスタンといった、全世界で100万人を超える難民のいる国々に加わった。国連によると、120万人が難民となり、一方でさらに187万人が国内避難民となった。20万4千人を超える人々が、文民保護のために国連が設置した特別な場所で暮らしている。
情勢が悪化するにつれ、国際社会の多くの観察者たちは、切迫した大量虐殺についての警告さえもしている。南スーダンの人権に関する国連の委員会は、同委員会が「『民族浄化』の着実な過程」と呼ぶものがあることを認めた。それには大虐殺や飢餓、集団暴行、そして村々の破壊が含まれる。
新たな飢饉(ききん)の脅威
「私たちはこの情勢を極めて憂慮しています」と、LWFの地域プログラム・コーディネーター、ロキル・ヨハナ氏は言う。「私たちは上ナイル地方、旧ユニティ州、そしてジョングレイ州や、この国の主な穀倉地帯としての役目を担う、かつて平和的で安定していたグレーター・エクアトリア地域においてさえも、戦闘について耳にしています」
この国の穀物純生産の半分以上を占めているエクアトリア地域は、この紛争によって深刻な悪影響を受けている。国連世界食糧計画による最近の推計によると、400万人近く、すなわち南スーダンの人口の3分の1が「極めて食糧不安」の状態にある。それは、次の食事にいつ、どうやってありつけるのか分からないということを意味している。
11月の乾期の始まり以降、ジョングレイ州や上ナイル、そしてユニティにある地域社会に援助を提供することは、さらに難題となった。「乾期は軍隊や牛の襲撃者たちの動きを助長するのです。これらは人道的活動、とりわけ救援物資の運搬に対する重大な難題をもたらしています」とヨハナ氏は言う。「最も悪影響を受けている地域に手を差し伸べる一方で、職員を守ることがますます難しくなるのです。特に憂慮しているのは、私たちが国内避難民を支援しているジョングレイ州の情勢の悪化です」
隣国における難民の数の多さ
隣国に逃れている人たちの大多数は、ウガンダ北部へと向かい、そこでは今100万人近い難民を受け入れているが、彼らの大多数は南スーダン出身だ。現在、LWFの職員は毎週新たに3千人がやって来ることを報告している。「私たちは避難所、水、衛生、そして保護のサービスを南スーダン人の難民に提供しています」と、LWFのウガンダ代表、ジェシー・カムストラ氏は語る。
「けれども新たにやって来る数がこれだけ多いとなれば、私たちには、十分な援助を提供するためにさらに多くの許容能力が必要です」。新しくやって来る難民たちの多くは、運べるだけの家財道具や、家畜さえ持って来る。「この国を出られる人なら、まさに誰もがそうしているようです」とカムストラ氏は付け加える。「これらの難民の多くは、近い将来に帰還できるとは期待していないのです」
エチオピアのガンベラという地域は、大量に流入して来る南スーダン人の難民を再び受け入れている。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のデータによると、2016年9月以来、合計で4万6062人の南スーダン人が、1日当たり平均で500人の割合でやって来た。新しくやって来た人たちの86パーセントは、南スーダンの上ナイル、ジョングレイ、そしてユニティ出身の女性や子どもたちだ。新たな戦闘や食糧不安が、彼らの逃走の主な理由だ。
とりわけ危険にさらされる子どもたち
ケニア北部のカクマ難民キャンプでも、南スーダンの戦争から逃れた人たちの、同じような増加が見られる。ナダパルにある国境地点で、LWFは現在、週に約千人の新たな難民を受け入れている。
「私たちが目にするものはみな、南スーダンの情勢が日々悪化しつつあることに対する私たちの恐れを裏付けています。現在のところ、最も深刻な2つの問題は、その国境でワクチンが不足していることと、食糧の配給を半分に減らすことです。ワクチンの不足が重大な問題であるのは、ケニアに入国する前に特定のワクチン接種をすることが義務づけられており、この国境における庇護希望者の数は日々増えつつあるからです」
さらにもっと心配なのは、とりわけ子どもたちや青年たちの食糧事情だ。「特に平均以上の食糧配給を必要とする青年たちや、特定の食事上のニーズを持つ人たちのために」とLWFワールドサービスのレナート・ヘルナンダー氏は言う。「カクマではすでに、食糧が非常に不足しています。国連が食糧配給を半分に減らさなければならなかったので、このキャンプにいる人たちには十分な食べ物がないのです」