人に危害を加える恐れがあるとして特定動物にしていされているアミメニシキヘビなどを無許可で飼育していたとして、警視庁は9日、アルバイトの男(21)=東京都江戸川区=を動物愛護法違反(特定動物の無許可飼養)容疑で書類送検した。男は自宅マンションで、ヘビやトカゲなどの爬虫(はちゅう)類約40匹を飼育。このうち、アミメニシキヘビ1匹、ビルマニシキヘビ1匹、ボアコンストリクター4匹の計3種6匹が特定動物だった。時事通信などが伝えた。
アミメニシキヘビは、最大全長9メートルに達するオオアナコンダと共に世界最長のヘビとされている。日本テレビによると、男が飼育していたアミメニシキヘビは幼体だったが、アミメニシキヘビは非常に凶暴で成長すると人をのみ込むこともあるという。同通信によると、男が飼育していたアミメニシキヘビは珍しいオレンジ色の模様で、今年5月に相場よりも高い30万円で業者から購入した。
一方、ビルマニシキヘビは全長3・5メートル、約35キロの大きさで、同通信は「男が絞め殺されたり食われたりする恐れもあった」と伝えている。
ボアコンストリクターは、南アメリカ大陸などに分布するヘビ。朝日新聞によると、男が飼育していたボアコンストリクターは全長75センチほどだったという。
男は、無施錠の水槽や衣装ケースでこれら特定動物に指定されているヘビを飼育していた。「小さい頃から爬虫類が好きだった」と話し、容疑を認めているという。
特定動物は、人に危害を加える恐れがあるとして、動物愛護管理法により指定されている動物で、環境省のホームページによると、トラやタカ、ワニ、マムシなど、哺乳類、鳥類、爬虫類の約650種が対象となっている。飼育するためには、あらかじめ都道府県知事の許可を受け、マイクロチップなどによる個別識別措置を取る必要がある。
違反した場合は、個人の場合は6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金、法人の場合は5000万円以下の罰金に処せられる。
男が飼育していた特定動物のうち、アミメニシキヘビについては、茨城県牛久市で男性=当時(66)=が2012年、家族が経営するペットショップの飼育場で襲われ、死亡する事故が起きている。JCSATニュースによると、男性を襲ったアミメニシキヘビは全長6・5メートルで、鍵が外れたおりの外で見つかった。男性は頭などをかまれ血を流して倒れており、締め付けられたような痕もあったという。