静岡県警の元警察官で地元の消防団員である農業・清水寛太容疑者(29)=同県浜松市北区=が23日、同区三ケ日(みっかび)地区の農業用倉庫に火を付けたとして、非現住建造物等放火容疑で逮捕された。朝日新聞などが伝えた。
同紙によると、清水容疑者は6月17日午後2時ごろ、温州ミカンの産地として知られる三ケ日地区にある農業用倉庫(約20平方メートル)に火を付け、全焼させた疑いが持たれている。清水容疑者はこの日、消防団員として出動していたという。サンケイスポーツ紙によると、倉庫はミカン農家の男性(64)の所有で、農機具などを保管していた。
清水容疑者は数年前まで静岡県警の警察官で、今年4月から地元の消防団に所属していた。工場の倉庫が燃えているという虚偽の119番通報をしたとして、7月23日に偽計業務妨害容疑で逮捕、その後起訴されていた。警察は、今回の放火容疑について清水容疑者の認否を明らかにしていない。
三ケ日地区では昨年から、農業用倉庫やミカンの木などが燃える不審火が計16件起きており、警察は清水容疑者が一連の不審火に関与したかどうか慎重に調べている。
不審火に伝える朝日新聞の昨年9月27日付の記事によると、不審火は昨年3月10日から同9月20日の間に計14件発生。被害に遭ったのはいずれもミカン農家で、生産に大きな打撃を受けた農家も少なくないとして、「みんな震え上がっている。放火なら、早く犯人が見つかってほしい」と話す三ケ日地区自治会連合会長の声などを伝えている。
同紙によると、三ケ日地区は耕地面積の8割以上がミカン畑で、農業人口の9割以上がミカン栽培に従事している。年間生産量は約3万5千トン、売り上げは年90億円に上るという。