熊本地震で唯一行方が分かっていない大学4年の大和晃(ひかる)さん(22)=熊本県阿蘇市=とみられる遺体が10日午前、同県南阿蘇村の阿蘇大橋の下流で見つかった車の中から発見された。警察は、遺体が大和さんの可能性があるとみて、収容作業を進めている。NHKなどが伝えた。
大和さんは4月16日、熊本地震のために崩壊した南阿蘇村の阿蘇大橋付近を車で走行していたとみられているが、その後行方が分からなくなっている。付近で捜索が行われたが、時事通信によると、熊本県は5月1日に二次災害の恐れがあるとして捜索を打ち切っていた。
大和さんの父親である卓也さん(58)はその後も自主的に捜索を続け、7月下旬に崩壊した阿蘇大橋から約400メートル下流で、大和さんが乗っていたとみられる黄色い車の残骸を発見。これを受け、熊本県は8月9日から捜索を再開していた。
車は大きな岩に挟まっていたが、削岩機や電動ドリルなどを使って除去する作業が行われ、西日本新聞によると、10日午前10時までの作業で、車体1メートルほどが地表に露出。捜索は警察や消防など約80人態勢で行われており、家族も対岸で様子を見守っているという。
卓也さんは、「まだ本人かどうか分からないが、息子であればいいと思っている」(西日本新聞)と話している。