キリスト教の勢いが弱まりつつあるのに対し、世俗化や他の宗教が勢力を伸ばしてきたために、教会が減少の一途にあるという説がある。しかし、英国の最新の調査によると、キリスト教の将来は、多くの人が恐れ、イメージするよりも明るいものになるかもしれない。
スコットランド国教会開発部門のスティーブ・エスソープ氏は、バーミンガムで開催された教会統計会議で、「全体像としては、減少というよりもむしろ変化というべきものです」と述べた。「人々は、以前に比べて施設に頼らない形でキリスト教信仰を実践しています」
エスソープ氏による、被験者を1万人集めた5年以上にわたる調査の結果、教会を去った人のうち、約3分の2が信仰を維持していることが分かった。エスソープ氏は、「私が驚いたことは、そうした人々が教会に対して語ることの温かさです。この人たちは、教会に対して怒り、またはネガティブな思いを抱いている人たちではなかったのです」と述べた。
エスソープ氏は、ヨハネによる福音書4章35節のイエスの言葉を引用し、「目を上げて畑を見るがよい。色づいて刈り入れを待っている」と語った。
世界キリスト教百科事典によると、1億8200万人以上が教会に属さないキリスト教徒だという。
エスソープ氏は、「一般的に、教会に属さない信仰というのは問題として扱われます」と指摘した。「教会に通う人の急速な減少は、私たちが深く後戻りできない世俗化にあることを意味する」との臆測も存在する。
しかし、実態はそれよりも複雑だ。「教会を捨てた人々の多くは、信仰を失っていません。日曜の朝に教会にいる人々は、氷山の一角です」
信仰を持つ人々が、なぜ教会に行くことをやめるのか。エスソープ氏は、「私たちの調査によれば、教会を去った人のほとんどは、長期にわたる欲求不満と失望、困難に耐えた末に去っています」と述べた。被験者たちは、長期にわたって感じていた苦悩を、詳細に語ったという。
「疎遠になっていくプロセスのようなものがあります。多くの人は、例えば説教内容の妥当性について苦しみました。約半数が、教会を他の惑星のように感じていました」
重要なのは、「意識的に、率先して多様性を尊重し、現状コアとなっているグループとは違う人々にも、ありのままでいられるようにしてあげる」ことだという。