東亜建設工業(東京都新宿区)は6日、同社が担当した羽田空港C滑走路の地盤改良工事でデータの改ざんがあり、国土交通省に虚偽の報告をしていたことを明らかにした。共同通信などが伝えた。
同通信によると、データの改ざんがあったのは、大地震が発生した際に滑走路の液状化を防ぐため、地中に管を通して薬液を注入する工事。薬液の総合注入量は設計の5・4パーセントに過ぎなかったが、仕様書通りに施工したように虚偽の報告をしていたという。
東亜建設工業は同日、横浜市内で記者会見を開き、松尾正臣社長が謝罪。日本経済新聞によると、同社は今年2月、松尾社長が6月下旬に代表権のある会長職に就くことを発表していたが、6月下旬を待たずに、代表権のある会長職ではなく、相談役に退く方針。新社長には予定通り、秋山優樹副社長が就任するという。
東亜建設工業は4月28日、羽田空港C滑走路の地盤改良工事について施工不良の疑いがあることが判明したとして、国土交通省に申し出たことを発表していた。国土交通省からは、事実関係を確認した上で報告するよう指示を受けたとしており、「関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけすることを、深くお詫び申し上げます」と謝罪していた。