大阪府東大阪市にある建設業人材派遣会社の寮で先月、50代の男性が結核で死亡し、寮に住む53人の男性のうち33人が結核を発症したり、感染したりするなど集団感染していたことが明らかになった。死亡した男性は昨年2月と今年1月、東大阪市内の医療機関で定期健診を受けていたが、結核とは診断されず、見落とされていた可能性がある。TBSなどが伝えた。
TBSによると、死亡した男性の過去のレントゲン写真を調べたところ、男性は約1年前から結核を発症していた可能性が高いという。しかし、昨年2月と今年1月の健康診断では見落とされ、就労可能と診断されていた。読売新聞によると、男性は今年2月2日に意識を失って運ばれ、結核と診断されて入院。同13日に亡くなった。
同紙によると、男性が死亡した後、寮に住む男性53人の健診を行ったところ、5人が結核を発症、3人に発症の疑いがあり、25人が感染していたという。結核が発症・感染した33人は20〜60代で、重症者はいなく、全員が快方に向かっている。
東大阪市は寮の関係者から事情を聴くなどし、他にも感染が広まっていないか調べるとともに、定期健診を行った医療機関からも詳しく事情を聴くなどし、結核を見落とした経緯などを調べる方針。
同紙によると、死亡した男性は東大阪市内にある同じ医療機関で定期健診を受けていた。日刊スポーツ紙によると、東大阪市は医療機関名を公表していない。
東大阪市のホームページによると、結核を発症する人は、毎年全国で約25万人に上り、大阪府では約2300人、東大阪市では約100人が毎年新たに結核を発症しているという。