神戸市長田区で2014年9月、小学1年の女児=当時(6)=が誘拐・殺害された事件で、神戸地裁は18日、君野康弘被告(49)に求刑通り死刑を言い渡した。裁判は裁判員裁判で、被告側は即日控訴した。国内の主要各紙が伝えた。
朝日新聞や毎日新聞によると、君野被告は14年9月11日午後3時半ごろ、自宅アパート近くの路上を歩いていた女児に声を掛け、わいせつ目的で自宅に誘い込み、首を絞め、包丁で刺すなどして殺害。遺体を切断し、複数のポリ袋に入れ、近くの雑木林などに遺棄した。
裁判では、殺人、わいせつ目的誘拐、死体損壊、死体遺棄の4つの罪に問われ、このうち、殺人、死体損壊、死体遺棄の3つの罪については認めたが、わいせつ目的誘拐については否認。弁護側は、女児とは偶然に出会い友達になりたいと思って声を掛け、酒の影響で衝動的な行動をしてしまったなどと主張。懲役25〜30年が相当としていた。
一方、検察側は、君野被告が事件前、幼女のわいせつ動画を見ていたことなどを挙げ、性的興奮が高まった状態で女児を尾行したなどと主張。わいせつを目的とした誘拐だったと指摘し、「生命軽視の姿勢が極めて顕著」として死刑を求刑していた。
君野被告は犯行から約2週間後の14年9月24日に逮捕されており、当時の報道によると、逮捕される数日前には、知人に連れられて神戸市内の教会の礼拝に出席。教会の牧師は、君野被告から不安な様子を感じたことを語っていた(関連記事:神戸女児遺棄事件 君野容疑者、逮捕直前に教会の礼拝に出席)。