兵庫県姫路市の市立中学の運動部で顧問を務める男性教諭(58)が、部活内でいじめにより重傷を負った1年の男子部員を病院へ連れて行く際、副顧問の教諭に、階段で転んだことにするよう指示するなどしたとして、停職6カ月の処分を受けた。共同通信などが伝えた。
同通信や朝日新聞によると、1年の男子生徒は昨年7月、朝の練習中に、2、3年の男子生徒2人からひざ蹴りなどを受け、胸部を骨折する重傷を負った。しかし、副顧問の教諭が1年の男子生徒を病院へ連れて行く際、顧問の教諭がうその説明をするよう指示し、生徒も指示通り説明したという。
顧問の教諭は、「医師が警察に通報すると大問題になると思った。隠すつもりはなかった」(同通信)と説明しているという。
一方、暴行を加えた男子生徒2人は、他の1年の男子生徒2人に対しても暴行を加えていたことが明らかになり、学校側はいじめと判断し、姫路市教育委員会に報告。校長は、暴行を加えた2人のうち主力選手の3年の男子生徒を、昨年8月に行われた近畿中学校総合体育大会に出場させないよう指示したという。しかし、顧問の教諭はこれに従わず、3年の男子生徒を出場させた。
顧問の教諭は、「出場させないことが望ましいとは割り切れなかった」(同紙)、「暴行した上級生は主力選手だったため、迷いがあったが出場させた」(NHK)などと話している。
神戸新聞によると、兵庫県教育委員会は、校長についても指導監督が不十分だったとして、訓告処分とした。