フィジー最大のプロテスタント教派であるフィジー・メソジスト教会は20日、フェイスブックで、同国に襲来した大型サイクロン「ウィンストン」の影響により、同教派の21日の日曜礼拝を全て中止すると発表した。
同教会総幹事のエピネリ・バカデワボサ牧師・博士は、この決定は教会員の安全のためだと述べた。
「私たちは教会員の皆さんに対し、今週末の日曜礼拝に関しては、注意と常識を働かせるよう、強く求めます。私は教会員に対し、自宅で家族の祈祷会を行うよう勧めます」と、同総幹事は述べた。
バカデワボサ牧師・博士は全ての教区長や牧師に対し、同国の国家災害管理局からの指示に従うようにと各自の教会員たちに助言するよう求めている。
熱帯サイクロン「ウィンストン」がフィジーを通過するに当たって、同教派のバニバヌア議長は祈りに加わるよう国民に呼び掛けた。
「皆さんがこのサイクロンに対する物質的な備えができて安全な場所にいることになったら、どうか祈りに専心してください。今は信仰者である全てのフィジー国民が、私たちの国が守られるよう祈り瞑想するときです」と同議長は述べた。
同議長は21日に予定されていた同国の首都スバにあるキノヤ教区の教区長就任式を延期した。
同国の首都スバにある太平洋教会協議会(PCC)の事務局も20日、フェイスブックで同国のニュースメディア「アイランズ・ビジネス」による記事として、フィジー・メソジスト教会のこうした決定や呼び掛けを伝えた。
フィジー気象局は、「ウィンストン」が午後3時の時点ではサイクロンでは最も強い段階である「カテゴリー5」であると発表。報道によると、風速は80メートルを超え、最大瞬間風速は88メートルにもなるという。
同気象局は、このサイクロンによる豪雨や洪水、強風に注意を呼び掛けている。また、同国政府の災害担当官らは20日、同国全体が「自然災害事態」にあると発表した。そして同国政府は同日、全国の避難所が活動を開始し、国民がそれらの避難所に収容されていると伝えた。一部の報道によると、このサイクロンによって少なくとも1人の死亡が確認されたという。
一方、同国の主要紙の一つであるフィジー・タイムズ電子版は20日午後11時55分、同国の主要都市ナンディにある測候所の発表として「ウィンストン」が速度を落としてフィジーから離れつつあると伝えた。