画像共有アプリ「写真袋」「写真箱」の運営会社「AIRCAST(エアーキャスト)」(東京都千代田区)の大野光明社長(55)ら4人が8日、アプリで児童ポルノの画像を公開していたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(公然陳列)容疑などで逮捕された。また、アプリ上で写真をダウンロードする際にかかる料金の支払い先が、住吉会系暴力団の小林功組員(56)が譲り渡した口座だったことも分かり、売り上げの一部が暴力団に流れていた可能性があるという。TBSなどが伝えた。
「写真袋」は、大量の画像や動画を保存できる利用者が約400万人という人気のアプリ。大野容疑者は昨年11月、「写真袋」で児童ポルノ画像が多数共有・公開されている状況を知りながら放置していたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(公然陳列)ほう助容疑で逮捕。しかし、TBSによると、その後不起訴処分となっていたという。
「写真袋」は、「合言葉」と呼ばれるパスワードを入れることで、他の利用者も画像や動画を閲覧・ダウンロード可能となる。一定期間は無料だが、一定期間後に閲覧・ダウンロードする場合は有料となり、この仕組みでAIRCASTは収益を得ていた。また、画像や動画の投稿者も、ダウンロード数に応じて商品券などに換金できるポイントを取得できる仕組みだったという。警察の調べによると、「写真袋」に投稿された画像の3〜4割が児童ポルノだったという。
「写真箱」も「写真袋」と同様のアプリで、警察が押収したパソコンを解析したところ、大野容疑者が、児童ポルノに該当する画像を削除せずに放置するよう社員らに指示していた疑いが強まったとして、今回の逮捕に至ったという。また、読売テレビによると、「写真箱」の売り上げは、小林容疑者が譲り渡りた口座に入金されていた。
「写真袋」は、昨年11月に大野容疑者が逮捕されて以後、現在は利用できなくなっているが、「写真箱」については、iPhone などで利用できるアップル社のアプリ販売オンラインストア「App Store」上では、現在もダウンロードができる状態のまま。ただし、販売元はAIRCAST名義ではなく、「isao kobayashi」となっている。
一方、読売テレビによると、「写真袋」や「写真箱」で本人以外が写真をダウンロードする際に必要となる「合言葉」は、インターネット上の掲示板などで公開され、児童ポルノ画像の投稿者の中には、中学生や高校生もいたという。