北朝鮮の労働党体制の下で収監されているカナダ人牧師の釈放を求め、すでに12万5千人以上がインターネットの署名サイトで署名している。
韓国生まれのカナダ人牧師ヒョン・スー・リム師は昨年逮捕され、12月に無期労働教化刑が言い渡された。
インターネットの署名サイト「Change.org」に、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長、カナダのジャスティン・トルドー首相とステファン・ディオン外務大臣に対し、リム師の解放のために働き掛けるよう求めるキャンペーンが投稿された。
キャンペーンの紹介文には、「カナダ政府と国連は、今この時、強く積極的な行動をとる必要があります。政治的な意思があれば、リム牧師は解放されるかもしれません。必要のある人のために、自らの命と自由を差し出すほどの勇気と献身のある人はほとんどいません。しかし私たちは皆、リム牧師を釈放し、家に連れ帰る(訳注:原文では "#freepastorlim""#bringhimhome"のハッシュタグ)ことを手助けできます。どうか署名し、働き掛けてください!」とある。
トロントにあり、3千人の会員がいるライト・コリアン長老教会の牧師であるリム氏は、宣教旅行の一環として、昨年1月に北朝鮮に入国した。そして同2月まで、リム氏の家族や友人はリム氏と連絡が取れなくなり、のちに北朝鮮当局により逮捕されたことが明らかになった。
国営通信社の朝鮮中央通信によると、リム氏は「北朝鮮の体制に反する宗教活動を行い、海外の同胞に偽のプロパガンダを行い、『脱北者支援』のプログラムを通して米国と(韓国の)保守派が北朝鮮の人民を惑わし、誘拐する活動において積極的な役割を担った」として有罪判決を受けた。
昨年12月、約千人がライト・コリアン長老教会で、リム氏の解放のために働いているカナダ政府の職員と共に、リム氏のための徹夜祈祷会を開いた。
今年1月、CNNのウィル・リプリー氏が北朝鮮にいるリム氏とのインタビューに成功した。リム氏は、収容中も定期的に食事を与えられ、医療も受けていると語った。
「リム氏は強制労働所に収容されています。そこの唯一の囚人のようです。ほかの囚人を見たことがないそうです。リム氏は1日8時間、週6日働き、休憩も与えられています。収容所の果樹園にリンゴの木を植えるための穴を掘る仕事をしています。常に2人の看守が彼を監視しています。彼は無期労働強化刑に服しています。外の世界とは全く連絡を取っていません」
このキャンペーンは、アルバータ大学法科大学院のジス・アン氏とイェール大学法科大学院のヒュンス・リム氏が開始した。英語以外にも、フランス語、韓国語、中国語、日本語でキャンペーンを見ることができる。