ノースカロライナ州の小さな教会で、地域で増大している暴力について牧師が説教で話していたところに、半自動小銃を持った男が押し入った。男は牧師になだめられ、説教の間は席に座り、招きの時間にキリストを受け入れた。
ファイエットビルにある「ヒール・ザ・ランド・ミニストリーズ」のラリー・ライト牧師(57)は、12月31日に起きた事件について、CNNの取材に「私が初めに彼を見つけました。その時、私は彼が偽の銃を持っていると思ったのですが、手に銃弾クリップを持ち、銃弾が光っているのに気付きました」と語った。
退役軍人のライト牧師は、男のもとに近づき、「よくいらっしゃいました」と声を掛けた。男は感情面で悩んでいるように見受けられ、ライト牧師に自分のために祈るよう願った。そして牧師は祈り、男が所持していた銃と弾薬を自分に渡すように言った。ライト牧師は男を最前列に案内して座らせ、説教を続けた。
会衆の誰かが警察に通報し、警察が到着したが、牧師は警察に対し、礼拝が終わるまで外で待つよう願った。
ライト牧師は、「私はメッセージを終え、招きをしました。彼はすぐに立ち上がり、講壇のところに来て、人生をキリストに明け渡しました。私は講壇から降りて彼と祈り、ハグしました。父が息子を抱きしめるかのようでした」と語った。
そして男は会衆に謝罪し、恐ろしい事件を起こそうとして、その夕方に教会の外に座っていたが、主が語られたと明かした。
地元ニュースサイト「Fayobserver.com」によると、ライト牧師は「もし彼が好戦的で来るならば、攻撃するつもりでした」とも述べた。「彼をフォローし、必要な支援やリソースを得られるようにしたいと思います」とライト牧師。
教会員のアリソン・ウッズさんは、銃を持った男が入ってきたときの気持ちをこう語った。「牧師が読んでいた御言葉通り、あたかもページからそのまま飛び出してきたような感じで、現実とは思えませんでした。翌日、起こり得たことについて考えたとき、もし最悪の事態が起きていたら、どれほど恐ろしいことかと思いました」
昨年6月に起きた銃乱射事件では、米サウスカロライナ州チャールストン市のエマニュエル・アフリカン・メソジスト監督(AME)教会で聖書の学びを開いていたクレメンタ・ピンクニー牧師を含む9人が死亡した。
その数日後、ベストセラーの著者で米国で最も急成長を遂げている教会を牧会するジョエル・オスティーン牧師は、集まった数万人もの出席者の前で、事件の犠牲者の遺族や生き残った被害者のために心を揺さぶる祈りを導いた。
「主よ、一見あなたの手のうちから離れているように見える物事ですら、あなたの御手のうちにあることを感謝します。取るに足りない者に美しさを、嘆く者に喜びを与える方法をご存じであることに感謝します。主よ、害をなすことでも、あなたはそれでもそのことを用い、私たちの益としてくださいます。ですから、主よ、私は御前に祈ります。今日、愛する人々を失った人、傷ついた人全てを慰めてください。天のお父様、私たちはあなたに感謝します。このことがあなたの御手のうちにあり、あなたが善き方で、あなたの憐れみが永遠にあることを感謝します」