【CJC=東京】ロシア捜査委員会の代表者らが、ロマノフ朝の皇帝アレクサンドル3世の遺骸と、息子ニコライ2世のものと推定される遺骸から、比較のため、それぞれDNAサンプルを採取した。タス通信が報じた。
サンクトペテルブルクのペト・パブロフスク大聖堂にある墓所を、専門家らが掘り起こした。皇帝一家殺害をめぐる刑事捜査の一環で、遺伝学的鑑定用のサンプルを採取するのが目的。
ニコライ2世は十月革命直後の1918年、家族とともに銃殺された。その「遺骸」は2007年、エカテリンブルク近郊の埋葬地で発見されたが、ロシア正教会はその信憑性に疑義を抱いている。今年10月、キリル総主教は政府に対し、ニコライ2世とアレクサンドル3世の遺骸を比較する遺伝学的調査を行うよう求めた。ロシア正教会の見解では、鑑定で肯定的な結果が出れば、ニコライ2世とその家族の遺骸がまぎれもなく本人のものであることの、議論の余地なき証明となるという。