STAP細胞の論文をめぐる不正調査(2013〜14年度)で、計約9170万円の費用がかかっていたことが、会計検査院の調べで6日までに分かった。STAP細胞の研究費(11〜13年度)は約5320万円で、合わせると計約1億4500万円に上る。国内主要紙が同日に伝えた。
毎日新聞によると、STAP細胞の論文をめぐる不正調査では、▼法律専門家への相談・職員のメンタルケアなどに3820万円、▼調査委員会の費用・保存試料の分析に約2350万円、▼検証実験や立会人旅費などに約1730万円、▼再発防止のための改革委員会や広報費などに約1250万円がかかったという。
同紙によると、STAP細胞の研究や不正調査でかかった費用の総額が明らかになるのはこれが初めて。
STAP細胞の研究を行った理化学研究所(理研)の小保方晴子元研究員は、既に今年7月、論文を掲載した英科学誌『ネイチャー』への論文掲載費約60万円を理研に返還している。理研の担当者は「いずれも必要な経費だった。これ以上の返還を求めることはない」(同紙)と話している。