【CJC=東京】教皇フランシスコ(78)が「脳腫瘍」と診断されたというイタリア紙「コティディアーノ・ナツィオナーレ」(21日付)の報道が、バチカン(ローマ教皇庁)で波紋を広げた。折から家庭に関係する問題を取り上げた世界代表司教会議(シノドス)が開会中で、再婚信徒や同性愛者への対応をめぐり、保守派が教皇批判を強めている中でのことだけに「混乱を狙った陰謀の意図がある」(バチカン機関紙「オッセルバトレ・ロマノ」)との指摘も出ている。
発端は、コティディアーノ・ナツィオナーレ紙による「世界的な脳神経外科医の福島孝徳氏の診察で、脳に小さな腫瘍が認められたが、手術は必要なく、治癒可能と判断された」との報道。バチカン報道事務所は教皇自身にも確認した上で「教皇は健康」と強調し、報道を誤報として全面否定した。
コティディアーノ・ナツィオナーレ紙は、福島氏の公式ブログを引用して、昨秋フランシスコ教皇の一般接見に参加した際の様子や、今年1月にバチカン高位聖職者と会談した写真を掲載した。だが、福島氏の事務所は「2回のバチカン訪問は医療目的ではない」と説明しているという。